真夏の眩耀(げんよう)と、黄金の君
魔法の使えない少女・レナは、周りから「無能な落第生」と蔑まれながらも宮廷調合師として静かに薬作りに励んでいた。
ある猛暑の日、彼女は国境を守る若き凄腕公爵・ジルと出会う。
敵の呪いによって全身が氷へと変わりゆく恐怖と激痛に耐えるジル。高位の錬金術師たちが放つ強い魔力はかえって呪いを悪化させてしまうため、誰からも見放された彼は、ただ太陽の熱で死期を延ばすために離宮を訪れていたのだった。
「私の手なら、魔力による反発は起きません」
冷たすぎる彼の手を包み込み、優しく薬を塗るレナ。
誰からも恐れられていたジルの孤独を理解し、彼を救いたいと願うレナは、真夏の陽光をいっぱいに集めた「ある花」の調合薬を作り始める。
やがて訪れる呪いの決壊と狂った吹雪。
絶望に呑み込まれかける彼を前に、レナが選択した「命がけの決断」とは——?
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