【完結】白紙の契りに愛を漉く
「邪」を封じる紙守一族には、紙を漉く女性「漉姫」と、その紙を結界や形代で使う「漉守」がいる。
漉姫の一人、千咲は、実家から金で売られるようにして、紙守本家の一つである紅梅家へと連れてこられた。
家柄も後ろ盾もない千咲は、漉姫たちの序列で最下位。
他の漉姫たちからなじられ、仕事を押し付けられる日々。漉姫であれば参加できる園遊会の間も、屋敷から離れた漉場で一人、紙を漉き続けていた。
そこへ、身なりの良い幼い兄妹、朔也と琴葉が迷い込んでくる。どうやら親に連れられて来たものの、退屈して逃げ出してきたらしい。
子どもたちと一緒に紙漉きを楽しんだ千咲だったが、それがきっかけで紙守本家の一つ、蒼井家当主の蓮司から求婚されるとは思ってもいなかった。朔也と琴葉は蓮司の子であり、彼は前の妻とは別れていたのだ。
「君に求めるのは俺の妻ではない。子どもたちの母親となることだ」
妻ではなく、母として。その条件を吞み、蒼井家へと嫁ぐのだが――。
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