嘆きの王と深窓の姫

 小国の姫として生まれ、停戦と引き換えに敵国に嫁ぎ、継母の策略で一国を滅ぼした娘は、再び姫として生を受けた。ウェスタリア王国の第二王女・エステルとして。

生まれ変わってもなお消えない記憶は、きっと罪の証なのだろう。本意ではないとしても、私のせいで多くの命が散ったのだから。

だから、生涯を贖罪の為だけに費やすと心に決めて生きてきた——再び彼の王と出逢うまでは。
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