影の妖狩 〜心無き戦闘兵器と呼ばれた少女は助けた少年に心を教わる〜
日本には妖が存在する。それは人間の思念から生まれた影の世界の住人。それを殺す力、「妖力」を持つ者は「妖狩」と呼ばれていた。
そんな中、組織に所属しないフリーの妖狩である天嶺飛鳥という少女がいた。感情を殺し、ただ妖を殺すためだけの『戦闘兵器』と呼ばれる存在。
東京で過ごしていたとき、一体の妖が現れる。いつものごとくその妖を殺すため、飛鳥はその場に向かった。人が妖に殺されたとしても仕方がない。せめて被害が広がらないために……。
そんな中、一人の少年が襲われているところが視界に入った。彼は妖が見えている。妖力がなければ見えないものを……恐怖を視界に入れている。
妖狩連盟の規定、それは「妖力の持ちつつ、扱えぬ者は処刑する」というもの。それはコントロールできなければ、ただ妖を寄せ付けるだけの餌になるからだ。
つまり彼は処刑対象。助けることなどあってはならない。しかし飛鳥は、変に心が騒めいた。
「選びなさい。妖力の扱えない、ただの妖の餌としてここで私に殺されるか。あるいは妖狩になるべく、私とともに地獄を歩くか」
己の不合理な発言に嫌気が差す。それでも彼を見捨てることができなかった。同情? そんなものではない。何か、なぜか彼を守らなくてはと、そう思った。
処刑対象を匿えば、飛鳥も処刑の対象になり得る。それでも選んだのは、彼を妖狩として強くする、という道。
妖を殺す。彼を妖狩にする。そして妖狩連盟からは逃げる。それが飛鳥の選んだ道。険しい地獄。
束の間の逃避行。妖との戦闘。刺客の襲撃。そして飛鳥の過去と、二人の行き着く先とは……。
*本作は『小説家になろう』『カクヨム』にも投稿しております。
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