どうしようもない貴方が好きだった
私が知っている彼は、名前とは正反対の人だった。
長めの髪はボサボサで無精髭を生やし、スウェットの上下を着て仕事も碌に行かないような、酒好きで私にお金の無心をするようなクズで不埒でだらしない格好の紐男。不思議とタバコは吸わなかったけど、常にパソコンとタブレットみたなのを弄っていて、ゲームかなにかをしていた。
でも、私が出張から帰ってきたら、彼は消えていた――彼が持ってきた荷物の全てを持って。
そして一年半後、買い物に出た先で彼を見かけた。
その視線の先にいる彼は短く切りそろえた髪をジェルか何かでなでつけ、高級そうなスーツとネクタイを着こなし、眼鏡をかけた素敵な男性だった。そんな優しそうな、幸せそうな笑顔すら私に向けられたことはない。
胸が締め付けられて、つらかった。だから私は――。
どうしようもない男とそんな男が好きな彼女の話。
長めの髪はボサボサで無精髭を生やし、スウェットの上下を着て仕事も碌に行かないような、酒好きで私にお金の無心をするようなクズで不埒でだらしない格好の紐男。不思議とタバコは吸わなかったけど、常にパソコンとタブレットみたなのを弄っていて、ゲームかなにかをしていた。
でも、私が出張から帰ってきたら、彼は消えていた――彼が持ってきた荷物の全てを持って。
そして一年半後、買い物に出た先で彼を見かけた。
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