ピザのはなし
ピザのはなし
2023/03/06
明日日本に一時帰国を予定している私たち夫婦の冷蔵庫は前日の夜にして空っぽ。昼はなんちゃってプッタネスカのペンネを食べたが夕方にはお腹が鳴り出した。
一日一食が定着してきたとはいえ、お腹が空いたときは食べる。
ゴミ出しをすませた私たちは夕焼けがなくなる頃に、家から徒歩1分程の場所にあるピザ屋に行った。元々あることは知っていたが、引っ越して三か月、未だ利用したことはなかった。
外観は向かって右にレストラン、その隣にテイクアウト専用窓口がある。住宅街の海に面した場所でなかなかに静かで雰囲気が良かった。テイクアウトしたい旨を伝えると、女性スタッフが隣の窓口を指定し私たちは表に出ているメニューを見て各々のピザを頼んだ。
彼はプルドポークピザ、私はマルタピザ。ここはマルタ共和国だ。
待っている間にマルタビール代表のCISKを飲み、公園で遊ぶティーンエージャーカップル達をぼんやりと眺めた。三十分程はたっただろうか、そろそろ出来たかと覗いてみると既にボックスに納められたピザが放置されていた。流石マルタだ。出来た途端に声をかけてもらえるだなんて期待することはナンセンスなのである。
私たちはピザボックス二枚を抱えて不良エレベーターの横を通り過ぎ階段で四階まであがると一目散に手を洗いピザボックスの蓋を開けて喰らいついた。
ピザといえば日本ではピザーラのクリスピータイプ照り焼きチキンピザを好んで食べる。時々無性に食べたくなるジャンキーへの渇望はなんなのだろうか。あれは突然現れ食べたらすぐに罪悪感というものに変わっていく。イタリアのミラノで食べたピザ、マルタのピザ専門店、意外にもいろいろな所でピザを食べてきたが、このピザが美味しかった。
彼のプルドポークは照り焼きチキンの照り焼き味に似ていて豚は柔らかくチーズは具の下に敷いているスタイルで、チーズだけの味にならないし生地が薄くて重くない。私のマルタピザと命名されたピザは、マルタソーセージというマルタ名物がっつり生ソーセージが満遍なくトッピングされていてトマトベースだった。こちらもぺろりと食べれてしまった。
「これ、好きだなあ、」
彼がしんみり呟いて、それから日本でピザーラ頼まなくて良くなった。と言った。
私は彼が美味しい物を食べた時に目を瞑って舌に意識を集中させる顔を見るのが好きなのだが、久しぶりにその顔を見ることが出来て私も大満足である。
夏には海で泳いだ帰りにびちょびちょの水着のまま注文し、テラス席でビールを飲みながら待つように、マルティーズスタイルにあやかってみたいものだ。
2023/03/06
明日日本に一時帰国を予定している私たち夫婦の冷蔵庫は前日の夜にして空っぽ。昼はなんちゃってプッタネスカのペンネを食べたが夕方にはお腹が鳴り出した。
一日一食が定着してきたとはいえ、お腹が空いたときは食べる。
ゴミ出しをすませた私たちは夕焼けがなくなる頃に、家から徒歩1分程の場所にあるピザ屋に行った。元々あることは知っていたが、引っ越して三か月、未だ利用したことはなかった。
外観は向かって右にレストラン、その隣にテイクアウト専用窓口がある。住宅街の海に面した場所でなかなかに静かで雰囲気が良かった。テイクアウトしたい旨を伝えると、女性スタッフが隣の窓口を指定し私たちは表に出ているメニューを見て各々のピザを頼んだ。
彼はプルドポークピザ、私はマルタピザ。ここはマルタ共和国だ。
待っている間にマルタビール代表のCISKを飲み、公園で遊ぶティーンエージャーカップル達をぼんやりと眺めた。三十分程はたっただろうか、そろそろ出来たかと覗いてみると既にボックスに納められたピザが放置されていた。流石マルタだ。出来た途端に声をかけてもらえるだなんて期待することはナンセンスなのである。
私たちはピザボックス二枚を抱えて不良エレベーターの横を通り過ぎ階段で四階まであがると一目散に手を洗いピザボックスの蓋を開けて喰らいついた。
ピザといえば日本ではピザーラのクリスピータイプ照り焼きチキンピザを好んで食べる。時々無性に食べたくなるジャンキーへの渇望はなんなのだろうか。あれは突然現れ食べたらすぐに罪悪感というものに変わっていく。イタリアのミラノで食べたピザ、マルタのピザ専門店、意外にもいろいろな所でピザを食べてきたが、このピザが美味しかった。
彼のプルドポークは照り焼きチキンの照り焼き味に似ていて豚は柔らかくチーズは具の下に敷いているスタイルで、チーズだけの味にならないし生地が薄くて重くない。私のマルタピザと命名されたピザは、マルタソーセージというマルタ名物がっつり生ソーセージが満遍なくトッピングされていてトマトベースだった。こちらもぺろりと食べれてしまった。
「これ、好きだなあ、」
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