妹は女神様の手違いで聖女に選ばれただけだったんですか?
アーバイン王国では、十年に一度顕現する女神様が聖女を選ぶ。
その聖女に選ばれたのは、腹違いの妹レスティアであった。お世辞にも性格が良いとは言えない彼女が聖女に選ばれたことで、私は家での立場を失うことになった。
実の父からも見放された私は、唯一手を差し伸べてくれるであろう第二王子のウェルード殿下を頼ることにした。
ただ私は、彼の元に向かう途中で奇妙な夢を見た。それが夢ではなく、実際の出来事だと理解するまでには、少し時間がかかった。
『あー、あー、聞こえますか?』
『えっと、あなたはレスティア嬢?』
『あ、あはは……えっと、ですね? あれ? ま、間違っちゃったのかなー、なんて……か、勘違いしてしまいましたぁ』
それは女神様の声であった。
あろうことか彼女は、聖女の指名を間違えていたのである。聖女となるべきだったのは、妹のレスティアではなく、私だったのだ。
その聖女に選ばれたのは、腹違いの妹レスティアであった。お世辞にも性格が良いとは言えない彼女が聖女に選ばれたことで、私は家での立場を失うことになった。
実の父からも見放された私は、唯一手を差し伸べてくれるであろう第二王子のウェルード殿下を頼ることにした。
ただ私は、彼の元に向かう途中で奇妙な夢を見た。それが夢ではなく、実際の出来事だと理解するまでには、少し時間がかかった。
『あー、あー、聞こえますか?』
『えっと、あなたはレスティア嬢?』
『あ、あはは……えっと、ですね? あれ? ま、間違っちゃったのかなー、なんて……か、勘違いしてしまいましたぁ』
それは女神様の声であった。
あろうことか彼女は、聖女の指名を間違えていたのである。聖女となるべきだったのは、妹のレスティアではなく、私だったのだ。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されましたので、聖印はお返しいたします
「お前のように、三年間ただ祈るだけで何ひとつ起こせなかった女とは違う」
卒業式典で、王太子殿下はそう仰って、掌に金色の光を浮かべる男爵令嬢を選びましたわ。
ええ、わたくしは光りません。
王家の婚約者の背に刻まれる《守護聖印》——王都全域の魔物避け結界へ、夜ごと魔力を注ぐ紋様。派手な光を出さないのは、一滴も漏らさず結界へ注いでいるからですのよ。
わたくしの占い……いえ、わたくしの祈りが効いていると、何も起きませんの。そして何も起きないと、わたくしの三年は「何もしていない」ことになる。
承知いたしました。婚約破棄、お受けいたしますわ。
聖印は誓いの上に立つもの。破棄と共に、王家へお返しいたします。
——三日ほどかかりますけれど。
三日後の夜、城壁の外で、三百年ぶりに魔物が鳴きました。
「姉だから」と大切なものを譲らされてきた私〜一度も話したことのない公爵令息に「よく遭遇するな」と声をかけられました〜
「姉なのだから、妹に譲りなさい」
伯爵令嬢セシリアは、幼い頃から何もかもを譲らされてきた。
大切にしていたドレス、ぬいぐるみ、仲の良かった侍女、友人。
セシリアが大切にするものを、妹は欲しがった。
「ごめんなさい、お姉様。ダミアン様との子供ができちゃったから、私にダミアン様をちょうだい?」
妹のヴィヴィアンは、婚約者までも欲しがった。
「そういうことだから、妹に譲りなさい」
母親は、いつもと変わらない口調で言った。
一ヶ月後の結婚式は、ヴィヴィアンの結婚式にすり替えられた。
式の準備で忙しくなるからと追い出され、セシリアは途方に暮れる。
「君には、よく遭遇するな」
声をかけたのは、公爵令息のアレクシスだった。
アレクシスは、社交界でも最も注目を集める人。セシリアには当然、話をした記憶もない。
それなのにアレクシスは、セシリアのことをやけに気にする素振りを見せて……。
「君なら我慢できるだろう」と義妹を優先されたので、婚約を白紙にしました
伯爵令嬢アリアは、婚約者カイルとの食事の約束を二時間待たされていた。
理由は、カイルの義理の妹セレーネの体調が悪化したから。
セレーネは聖女候補で、体が弱く、国を救う力があるから仕方がない。そう言われ、アリアは何度も自分の約束を後回しにされてきた。
けれど、その日、アリアはついに告げる。
「婚約は白紙に戻しましょう」
翌日、王都の神殿では、セレーネが正式に聖女として認められるための認定式が開かれる。
アリアはいつものように補佐席へ案内されるが、そこで足を止めた。
「本日は、補佐に入りません」
これまでアリアは、正式な辞令も報酬もないまま、善意でセレーネの祈りを支えてきた。
だが、婚約を白紙にした今、彼女を支える理由はもうない。
神官たちは「一人欠けても問題ない」と式を進める。
しかし、セレーネの祈りは失敗した。
魔力供給記録を確認した第二王子レナードは、衝撃の事実を明らかにする。
セレーネの祈りのほとんどは、アリアの魔力によって支えられていたのだ。
さらに、セレーネの体調不良は嘘だった。
彼女はカイルの一番でいるために体調不良を装い、アリアとの約束の日を狙って彼を呼び出していた。
偽りの聖女候補は資格を失い、カイルもまた、アリアを軽んじ続けた責任を突きつけられる。
一方、アリアは王子レナードから正式に請われ、結界を安定させる。
力を認められたアリアに、レナードは手を差し出す。
「もしよければ、私の傍にいてくれないか?」
婚約者におざなりにされてきた少女はその日、ようやく自分だけを見てくれる人の隣に立つことになるのだった。
婚約破棄されたので、隠していた聖女の力で聖樹を咲かせてみました
偽聖女と蔑まれ、婚約破棄されたイザベラ。
「お前は地味で、暗くて、何の取り柄もない」
元婚約者である王子はそう言い放った。
十年間、寡黙な令嬢を演じ続けた彼女。
その沈黙には、理由があった。
その夜、王都を照らす奇跡の光。
枯れた聖樹が満開に咲き誇り、人々は囁いた。
「真の聖女が目覚めた」と——
七光りのわがまま聖女を支えるのは疲れました。私はやめさせていただきます。
幼少期から魔法使いとしての才覚を見せていたラムーナは、王国における魔法使い最高峰の役職である聖女に就任するはずだった。
しかし、王国が聖女に選んだのは第一王女であるロメリアであった。彼女は父親である国王から溺愛されており、親の七光りで聖女に就任したのである。
ラムーナは、そんなロメリアを支える聖女補佐を任せられた。それは実質的に聖女としての役割を彼女が担うということだった。ロメリアには魔法使いの才能などまったくなかったのである。
色々と腑に落ちないラムーナだったが、それでも好待遇ではあったためその話を受け入れた。補佐として聖女を支えていこう。彼女はそのように考えていたのだ。
だが、彼女はその考えをすぐに改めることになった。なぜなら、聖女となったロメリアはとてもわがままな女性だったからである。
彼女は、才覚がまったくないにも関わらず上から目線でラムーナに命令してきた。ラムーナに支えられなければ何もできないはずなのに、ロメリアはとても偉そうだったのだ。
そんな彼女の態度に辟易としたラムーナは、聖女補佐の役目を下りることにした。王国側は特に彼女を止めることもなかった。ラムーナの代わりはいくらでもいると考えていたからである。
しかし彼女が去ったことによって、王国は未曽有の危機に晒されることになった。聖女補佐としてのラムーナは、とても有能な人間だったのだ。
義妹に苛められているらしいのですが・・・
穏やかだった男爵令嬢エレーヌの日常は、崩れ去ってしまった。
その原因は、最近屋敷にやってきた義妹のカノンだった。
彼女は遠縁の娘で、両親を亡くした後、親類中をたらい回しにされていたという。
それを不憫に思ったエレーヌの父が、彼女を引き取ると申し出たらしい。
儚げな美しさを持ち、常に柔和な笑みを湛えているカノンに、いつしか皆エレーヌのことなど忘れ、夢中になってしまい、気が付くと、婚約者までも彼女の虜だった。
そして、エレーヌが持っていた高価なドレスや宝飾品の殆どもカノンのものになってしまい、彼女の侍女だけはあんな義妹は許せないと憤慨するが・・・。
聖女を騙った罪で追放されそうなので、聖女の真の力を教えて差し上げます
公爵令嬢フローラ・クレマンは、首筋に聖女の証である薔薇の痣がある。それを知っているのは、家族と親友のミシェルだけ。
どうして自分なのか、やりたい人がやれば良いのにと、何度思ったことか。だからミシェルに相談したの。
「私は聖女になりたくてたまらないのに!」
ミシェルに言われたあの日から、私とミシェルの二人で一人の聖女として生きてきた。
けれど、私と第一王子の婚約が決まってからミシェルとは連絡が取れなくなってしまった。
ミシェル、大丈夫かしら?私が力を使わないと、彼女は聖女として振る舞えないのに……
なんて心配していたのに。
「フローラ・クレマン!聖女の名を騙った罪で、貴様を国外追放に処す。いくら貴様が僕の婚約者だったからと言って、許すわけにはいかない。我が国の聖女は、ミシェルただ一人だ」
第一王子とミシェルに、偽の聖女を騙った罪で断罪させそうになってしまった。
本気で私を追放したいのね……でしたら私も本気を出しましょう。聖女の真の力を教えて差し上げます。