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3章 コスで反逆

57話 変わったドロップ品

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ドロップした樽の表示は、書かれてる文字を2度見する物です「ノンアルコールビールだ!?」っと叫んじゃったんだよ、需要があるかな?とか、誰が飲むんだろうと問題はあります、でもこれは新しい商品の登場です、そして酒粕スライムから出た白い物は砂糖でした、純粋な真っ白い砂糖、これは高級品です。
僕が叫んだことで、みんながどうしたのかと注目します、僕は事情を説明して後で飲んでみようと誘ったんだ、アルミクがビールを飲めると大喜びです。


「ちょっちょっと待ってよエリナ姉!成人してからじゃないとお酒はダメなんだよ」

「あのねサーヤ、これはアルコールが入ってないお酒なの、だから子供でも飲めるんだよ」


サーヤに説明しながら、どうして出たのか予測をたてます、恐らく子供たちだけでタルドッグを倒したからです。
倒したタルドッグのドロップ品を再確認すると、全部がノンアルコールビールでした、これは絶対にそうですよね。


「っと言う事でみんな、サクサク進んで子供でも飲める商品を手に入れよう」

「「「「おおーー!!」」」」



帰ったら乾杯しよう!僕のその言葉を聞き、みんなのやる気は上がります、どんな味なのか楽しみみたいです、アルミクたちの戦いが安定した事で他の場所を見るようになり、僕は収集品も少し違う事に気づきました、ちょっと可愛い模様が描かれてる木のコップなどに変わっていました。
これは普通に売れるだろうっと早速収集です、アルミクたちはどんどん余裕になり進みます、帰ったらレベルを見るのが楽しみとお喋りも増えてきました。


「さてみんな、ここは注意だよ、あそこを見て」


10階の階段前に来て、僕は部屋を皆に見せます、そこには空を飛んでる火の玉がいるんです。
あいつは危険だと、攻撃パターンを教えます。


「なるほどな、分かったぜエリナ姉」

「何でも溶かす液体を打って来るのね、ちょっと怖いけど頑張るわ」


話を聞いて、アルミクが早速突撃しようとします、先手必勝は分かります、でもここで止めたんだ、事前に情報を持ってても深追いしてはいけないってね。
冒険者生活は、相手の情報収集は大切です、でもそれは無い時もある、その場合はどうするのかを教えたんだ。


「武器を持ってないモンスターはそれが危険なんだ、良く見て戦うんだよ」

「分かったぜエリナ姉、慎重に行くぞドミノン」



ドミノンが頷き、4人はゆっくり気付かれない様に炭酸水ウイスプを背後から襲います、4人で上下左右一撃ずつ、それはオーバーキルになり余裕の勝利です。
出来れば溶解液攻撃も体験してほしかったけど、それは次回と言う事で僕たちは戻る事にします、ここで僕のスキル【脱出】を使ったんだ、あっという間に門を出て僕の部屋です。


「すげーなエリナ姉、一瞬で部屋に来た」

「ほんとね・・・でもアルミク分かってるでしょうけど、普通は帰り道も考えないとダメなんだからね」


サーヤに注意され、アルミクは分かってるよと怒ってます、またケンカを始めたけどドミノンとミーオは嬉しそうだよ、ケンカするほどってやつです。
僕もそれは分かるのでしばらくそのままにしました、きっと戻って来れてホッとしてるんだ、ツボトックリや炭酸水ウイスプは、何に変わっているかと表示を見ます、ツボトックリは甘酒で炭酸水ウイスプはノンアルコールのシャンパンです。


「何だか、子供にやさしい気もする・・・まぁ良いけどね」


甘酒は自作しています、でも作るのに結構手間なので、これがあれば商品として出せるかもです。
アルコールの入ってない飲み物、これは売れるとちょっと楽しみになってきました、酒場で宣伝しようと計画を立てます。


「でも、その前にみんなとお祝いだね」


約束のノンアルコールで乾杯です、昼食の準備をして、手に入れた可愛い木のジョッキをみんなに配りました、大人のマネをして注いでみたりみんな楽しそうです。
全員の準備が整い、いつものお祈りをササピーさんが始めます、それが終わったらみんなで乾杯の掛け声をっと思ったんだけど、みんなに何か挨拶を入れてと求められました。


「じゃあ・・・4人の無事と成功を祝って、乾杯」

「「「「「かんぱ~い」」」」」


皆の大きな声を貰い木のジョッキを合わせました、みんな飲んだ後「プハー」っと大人のマネをしたんだ、子供は可愛いね。
食事が進み最後になると、僕は特別なシャンパンもあるっとみんなに伝えたんだ、ここでガラスのカクテルグラスを出し、みんなに回るように少量にして配ります。


「さてみんな、ここで僕は少し真面目なお話をします、僕はみんなに謝らないといけないんだ」


ごめんなさいっと頭を下げました、みんなはどうしたの?っと不思議そうです、ダンジョンを秘密にしてて、もし知らずに入っていたら、とても危険だったと謝ったんだ。
夜に僕の部屋に来ればその可能性はあった、ササピーさんやアルミクたちが知っていたので、僕の部屋に来ない様にしてくれたとお礼を言いました。


「今度から僕は夜にいるから、何かあったら来てね」


ダンジョンは分身に任せれば良いんだ、僕には子供たちの方が大事ですからね、添い寝でもお話でも請け負います。
その言葉で乾杯とは行きません、シャンパンは僕からのお詫びです、そう伝えグラスを掲げました、シャンパンはとても甘くておいしかったです。


「それで・・・うちでこの商品を出したいってんだな」


その日の酒場のお仕事で、僕は早速商品を売り込みます、冒険者にはアルコールが飲めない人もいます、その人たち用だと説明して試し飲みもしてもらったんだ、アマリスはお酒が飲めなかったので美味しいですと喜んでくれました、リンシャは少し足りない感じを覚えていましたね。
料金を低めにすれば売れるとクレミルが言ってくれたので、今後出すことになったんだ、これで子供たちのお小遣いにもなると笑顔になります。


「後は食器だね、きっと売れるよ」


明日の休みにジューダスさんに売り込みです、ほんとは朝食後に売り込む予定だったんだ、でも子供たちに遊ぼうとせがまれ断れませんでした。
動物の絵が書かれた食器はきっと売れます、木で出来てて安いんですからね、その日のお仕事はウキウキしながら働き、アースロさんたちから機嫌良いねとか言われちゃったよ。
そして次の日のお昼、ジューダスさんのお店に持ち込み査定してもらいます、サーヤとミーオも何故か一緒です。


「おお、これはなかなか良いじゃねぇか」

「でしょジューダスさん、動物もお花も可愛いでしょ」


ジューダスさんに言ってるのに、食器に夢中で聞いてません、サーヤとミーオはお店の食器を見てるし、査定を待つしかないと静かになりました。
しばらくして料金を貰いました、前は銅貨5枚だったのが倍の10枚です。


「皿にフォーク、各50組で大銅貨5枚だな」

「ちょっとジューダスさん、それは安すぎますよ、もう少し色を付けてください」


お皿の模様はかなり繊細な造りだと説明します、他にも動物が可愛いとか売り込んだんだ、ジューダスさんは分かってるとか言ってきます。
ここは押されるわけにはいきません、シスターさんの名にかけて行きます。


「これの需要はありますよジューダスさん、知ってるでしょ今住民はお金に余裕があります」

「それは知ってるが、しかし余裕があっても高ければ売れん、良いモノだが庶民はそんな物だ」


来ましたいつもの怖い顔です、でも僕には大きな決め手があります、市民の暮らしを良くしたのは僕です、そしてまだ誰も知らない事もあります。
それをジューダスさんに耳打ちして売り込んだんだ、それはジューダスさんが動揺するに十分な情報です。


「子供も貯金を持ってる・・・だと!?」

「そうですよジューダスさん、僕のお手伝いを孤児院でしてくれてるんです、それは親御さんたちのプレゼントとかに使いましょうっと伝えてあります、だけど金額を考えればちょっと使いたくなりますよね?」


お手伝いを1回すれば1つは買えます、1セット揃えたくなるのは人間のサガです。
そう説明をしてトドメです、ガラスの食器を出しジューダスさんの目を翻弄です、先ほどの木の食器よりも食いつきます。


「こここ、これを売るのか!?」

「そうですよジューダスさん、ちょっとお高めになりますけど、今の市民なら1つくらいと思う人はいるかもです、それにこれは近々国が販売を始めます」

「良し分かった!」


やったねっと、後ろにいたサーヤとミーオが喜びました、ふたりとハイタッチをして木の食器を銅貨10枚から15枚にする事に成功です。
ガラスの食器は1セットだけジューダスさん渡します、譲ってあげるためですね。


「い、良いのか!?」

「値上げしてもらいましたからね、次からは売りに来ますので査定よろしくお願いします」


任せろっと胸を叩きました、心の声で宣伝もよろしくっとジューダスさんにお願いしました、これは貴族にも売れるでしょうからね。
お金を貰いお店を出ると、サーヤとミーオが付いて来ていませんでした、どうしたのかと待っていると、少し遅れて出てきたんだ、もしかしたら欲しい食器でもあったのかと気になったよ。
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