転生したら最強の主人公ではなく異世界観察業になりました

 死んで転生したら担当の女神と一緒に異世界観察することになりました!!
折田一心(オリタイッシン)は徹夜明けに自宅の風呂で眠り、溺れて死んだ。
そして、脳内に響く。

「転生いたしますか?」
「お願いします」

 そこからすべてがはじまった。
 転生し、やって来たのは中世的な石畳の街。ドワーフ、ゴブリン、リザードマンな世界。

 しかし、彼らはスーツ、白衣、作業着と妙に生前と似たような服ばかり。
 生々しい程の前世との近親感がある街並み。
 ステータスは念じれば開いた。
 低いのか高いのかわからない数字とレベルは1。
 書かれていたスキルは「世渡り」
「世渡り?」
「えっ、」
「わたしこういうものなのですが、少しお時間頂いてもよろしいでしょうか」

 特に考えずに一心は声をかけて来た女についていく。
 その先は、「株式会社異世界出版観察支社」

「あなたは入社しますか?」
「断ったところで生きていくすべはないんですけどね」
「では、転生しまくってくださいね」
「世界を壊すと言うことはどう言うことか身をもって学んでください」

 連れてきた彼女は社長さんだった。

 一心の世界観は揺れに揺れて揺れまくる!

Q、異世界観察って何をするんですか?

A、強すぎる転生者によって他の世界に害が及ばないよう、その世界に転生し彼らの力を見極めるのが仕事です。
 例えば、オレツエェーwwwwな世界であれば特に転生主人公は力を持っていますよね。

 もし、そんな彼らが暴走し時空を歪めてしまうとどうなるのか。

 答えは色々ありますが、特に起こりうるのが、他の世界との知らずのうちに合体。
 モンスターや魔物が互いの世界を行き来し、人々を襲います。
 また、魔法の世界と剣の世界では戦いの都合も決闘の都合も政治も貨幣も何もかもが違い、価値観や見た目の違いによる同一種族同士の争い。


 それは、異世界を観察し本にしたためて販売する我々(社)にとって、非常に面白くないのです。
 それを防ぐのが私達、異世界出版の観察支社です。

 理解いただけましたでしょうか?

「なお、この説明はイッシンを連れて行った謎の女こと、サキュラ=チエによって責任を持って行われました!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ところで、イッシンさん、どうしようもなくなった世界はどうすると思います?」
 俺は答えられない。知らないから。
「壊してしまうんです。跡形もなく。」
「罪にはなりませんがその事実は私たちの中に根深く呪いのように残ってしまいます」
「それを踏まえて業務に当たってくださいね。まぁ、そんなことは私が創業して今まで800年間で一回しか起きなかったのですけど……」
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