『星駆のオービット――燃え尽きた僕らは、何度でも軌道へ還る』
能力開発都市《星環市》。高校二年生の一星護理は、双子の妹を守るため、誰にも見えない怪物《虚蝕体》との戦いへ巻き込まれる。瀕死の黒髪少女・冬城澪から禁じられた霊力を託された護理は、死の淵で「手の届くものだけは守る」と覚悟を定め、蹴った物体に霊力を宿す脚甲《星駆》を発現させた。
だが、その力は英雄の証ではない。澪は組織の命令に背いた逃亡者となり、護理は未知の星核を宿す危険な実験対象として追われることになる。しかも、一星家へ転がり込んだ澪は護理の押し入れを占拠。前向きすぎる妹・小春は父親の冗談をすべて真に受け、商店街では《歩く春風》と呼ばれていた。そんな小春自身にも、折れた心をもう一度立ち上がらせる未知能力《百折不撓》が眠っている。
さらに彼らの前へ現れたのは、《歩く事故現場》と悪名高い高校生・灰庭朔也。触れた能力を強制的に燃え尽きさせる《燃え尽き症候群》を持つ彼は、他人を救うためなら、自分の命を平然と計算から外す危うい少年だった。
軌道を支配する護理。境界を縫い止める澪。絶望を再点火する小春。あらゆる力を燃やし尽くす朔也。
正反対の四人が出会った時、都市の地下で封印されていた《原初星核》と、能力開発に隠された非人道的な計画が動き始める。管理局から追われ、異形に狙われながらも、彼らは誰か一人を犠牲にする正解を拒み続ける。
これは世界を救う英雄の物語ではない。
目の前の誰かを見捨てられない、不器用な少年少女たちが、傷つき、衝突し、何度燃え尽きても立ち上がり、最後には全員で日常へ帰るために戦う物語である
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