食欲不振の竜王様と、捨てられ聖女の硬い食卓

「ゴムか、これは」

隣国の英雄に手料理を酷評され、心を折られた聖女リリアナ・ヴァレンタインは、実家から課せられた政略結婚の命を果たせぬまま、母国へと帰還する。

傷心の彼女に実家の父が命じたのは、野蛮で凶暴な竜人が治める「ドラゴニア王国」の竜王イグニス・ドラゴニアの妃となることだった。

「うっかり殺してしまわないうちに、さっさと国へ帰れ」

人間を見下し冷たく言い放つイグニス。しかし、リリアナの手料理を食べて態度が一変。それは、普通の人間なら歯が折れる『岩のように硬いステーキ』だったのだが……?

「うまい! こんなに腹に溜まる飯は、生まれて初めてだ!!」

なんとその料理は、強靭な顎と胃袋を持つ竜人にとって、最高のスタミナ源だった!

岩石レベルのパン、鉄線のようなパスタ、鈍器になるクッキー。リリアナが作る硬い料理は、竜王を元気にし、兵士を強化し、いつしか国中から崇拝されることに。

これは、料理で幸せを掴んだ出戻り聖女の、痛快ハッピーエンドストーリー。
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