君は私のことをよくわかっているね

 後宮の管理人である桜華は、皇帝・龍晴に叶わぬ恋をしていた。龍晴にあてがう妃を選びながら「自分ではダメなのだろうか?」と思い悩む日々。けれど龍晴は「桜華を愛している」と言いながら、決して彼女を妃にすることはなかった。

「桜華は私のことをよくわかっているね」

 龍晴にそう言われるたび、桜華の心はひどく傷ついていく。

(わたくしには龍晴様のことがわからない。龍晴様も、わたくしのことをわかっていない)

 妃たちへの嫉妬心にズタズタの自尊心。
 思い詰めた彼女はある日、深夜、宮殿を抜け出した先で天龍という美しい男性と出会う。

「ようやく君を迎えに来れた」

 天龍は桜華を抱きしめ愛をささやく。なんでも、彼と桜華は前世で夫婦だったというのだ。
 戸惑いつつも、龍晴からは決して得られなかった類の愛情に、桜華の心は満たされていく。

 そんななか、龍晴の態度がこれまでと変わりはじめ――?
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