「あの…お話がございます」妻にそう言われる度に、僕は逃げ続ける

「あの…お話がございます」

「す、すまない、仕事がたまっているんだ。先に失礼する」

 妻がそう言う度に僕は逃げるしかない。
 なぜなら、妻が何を言うのかわかっていたから。

 僕と離縁したいという話だろう。

 君はまだ…兄上の事を忘れられないのか ――――――



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