追放されたスライム専門美容師、追放先でうっかり世界を掌握しかける
世の中には、理解されにくい才能というものが存在する。
たとえば、鼻でスパゲッティをすするより速く豆を箸でつまむ才能。
あるいは、どんな猫でも三秒で喉を鳴らさせる才能。
これらは、一見すると「だから何だ」と言われかねない。ここ、剣と魔法のファンタジー世界「アストラルディア」においても、事情はそう変わらない。 勇者だの、賢者だの、聖女だのといったキラキラしい肩書きがもてはやされる裏で、多くの地味なスキルは日陰の身だ。
我らが主人公、転生者ケンジのスキル【スライムつやつや】も、そんな不遇スキルの一つに数えられていた。
いや、ケンジ本人は、このスキルこそ世界を平和に導く最高の能力だと信じて疑っていなかったのだが、残念ながら、その情熱と真価を理解する者は、彼が所属する勇者パーティーには皆無だったのである。
これは、そんな不遇のスキルを持つ男が、理不尽な追放の果てに、うっかり世界をぷるぷるの幸せで満たしていく物語である。
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