猿でも分かる! 悪役令嬢になる方法
───ステップその1、幸せになることを諦めましょう。
侯爵令嬢エレナは、誰もが認める「悪役令嬢」だった。
婚約者である第一王子ヴィンセントには高圧的な態度を取り、贅沢をねだり、使用人をこき使い、気に入らない令嬢には嫌味を言う。
そんなエレナに、ヴィンセントはすっかり辟易していた。
───彼女が、婚約者でなければ。
そう思っていたある日、ヴィンセントは一人の少女と出会う。
身分の違いを気にすることなく、困っている人へ自然に手を差し伸べる少女――ミーナ。
彼女と接するうち、ヴィンセントは次第にミーナへ興味を持つようになる。
そして、そのことを知ったエレナは――なぜか寂しそうに、けれど嬉しそうに笑っていた。
「大丈夫、きっと上手くいく…」
そんなある日、エレナの部屋で、一冊の本を見つけたヴィンセント。
表紙には、こう書かれていた。
『猿でも分かる! 悪役令嬢になる方法』
何気なくページを開いたヴィンセントは、そこに記された内容に、絶句する。
『婚約者に嫌われるためには、高慢に振る舞いましょう』
『未来のヒロインは、容赦なくいじめ抜きましょう!』
『婚約者がヒロインに興味を持ったら大成功!』
『最終目標は───婚約破棄! 良くて国外追放、最悪処刑!!
これで貴方も、立派な悪役令嬢の仲間入り!!』
そして、その本に書かれている「悪役令嬢」の行動は、ヴィンセントがこれまで見てきたエレナそのものだった。
「…………まさか」
今まで自分を苦しめていたと思っていた我儘も。
嫌味も。
高慢な態度も。
すべて───演技だったのか?
エレナは、ヴィンセントに嫌われるために「悪役令嬢」になっていた。
そして、自分をミーナと結ばせるために、自ら身を引こうとしている。
だが、本当のエレナを知ってしまったヴィンセントは、もう以前のように彼女を「嫌な女」として見ることができなくなってしまう。
「俺は、君の思い通りにはならない」
嫌われたい令嬢と、彼女の本心を知ってしまった第一王子。
二人の思惑がすれ違うとき、物語は、本来の筋書きから大きく外れ始める。
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そして、その本に書かれている「悪役令嬢」の行動は、ヴィンセントがこれまで見てきたエレナそのものだった。
「…………まさか」
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嫌味も。
高慢な態度も。
すべて───演技だったのか?
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そして、自分をミーナと結ばせるために、自ら身を引こうとしている。
だが、本当のエレナを知ってしまったヴィンセントは、もう以前のように彼女を「嫌な女」として見ることができなくなってしまう。
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