死を願われた薄幸ハリボテ令嬢は逆行して溺愛される

「死んでくれればいいのに」

 十七歳になる年。リリアーヌ・ジェセニアは大好きだった婚約者クラウス・ベリサリオ公爵令息にそう言われて見捨てられた。そうしてたぶん一度目の人生を終えた。
 だから、二度目のチャンスを与えられたと気づいた時、リリアーヌが真っ先に考えたのはクラウスのことだった。
 今度こそ必ず、彼のことは好きにならない。
 そして必ず病気に打ち勝つ方法を見つけ、愛し愛される存在を見つけて幸せに寿命をまっとうするのだ。二度と『死んでくれればいいのに』なんて言われない人生を歩むために。

 突如として始まったやり直しの人生は、何もかもが順調だった。しかし、予定よりも早く死に向かう兆候が現れ始めてーー。

 リリアーヌは死の運命から逃れることができるのか? そして愛し愛される人と結ばれることはできるのか?
 そもそも、一体なぜ彼女は時を遡り、人生をやり直すことができたのだろうかーー?

 わけあって薄幸のハリボテ令嬢となったリリアーヌが、逆行して幸せになるまでの物語です。
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