私の世界
不幸な事故を受け、世間では死んだとされる少女――波。彼女は、不幸中の幸いか、いまもなお、生きていた。吸血鬼として。
眷属になりたての彼女は、昼を現世を、夜を妖の住まう常世を行き来していた。
現世では喋ることが出来ず、匿われ、親に思いを馳せる。
常世では五体満足でありながらも珍妙な世界に慣れなかった。
自分は一体、どちらにいるべきモノなのか。
人にあらず、けれど、完璧な妖でもなく、半人半妖でもない。
中途半端な存在で、どちらの世界で生きるべきか。
迷った末に、彼女は選ぶ。
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