透明色のカンバス
都会で暮らす相良悠希は、絵を描くことが好きな、大人しい男子高校生。
高校二年の夏、両親共が夏休み期間中に海外出張とのことで、慣れ親しんだ地元を離れ、父方の祖父母が住む田舎へと預けられる。
二人とは、小学校の頃に顔を合わせたきり。
その頃からすっかり姿形の変わった自分に、二人と普通に接することが出来るのだろうか……。
そんな懸念を跳ね除けるように、二人は当然のように優しく、温かく迎え入れてくれる。
一月半……長い長い夏休みが始まる、なんて思っていたこともすぐに忘れ、悠希はその不便さを楽しみ始めた。
そんなある日のこと。
祖父から借りた自転車を走らせて何となく辿り着いた立派な屋敷で、悠希は、車椅子に乗る少女・榎本ユリと出会う。
友人も知り合いもいない田舎町で、あることをきっかけにユリと話すようになった悠希。
その柔らかな物腰と明るい性格に、悠希は次第に惹かれてゆくが、ユリには、あまり人には言いたくない悩みがあるようで……?
初めてだらけの、ひと夏の田舎暮らし。
ゆっくりと時間の流れるその町で、少年は、儚く咲く花火のような、本気の恋をする。
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