31 / 48
とある暴走族のリーダー、就職する‼︎
0025:突然の風に、髪ハラリ
しおりを挟む
【side ノア・フィックスド(新米当主)】
⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯邸母屋、応接間。中心に設置された各ソファには、ノアとパトリック殿下に、隣の辺境伯領主コレクトが深々と腰を下ろしている。
「ステビア侯爵がコレクト君に恨み、ね。(真剣殿下)」
「こ、コレクト様、……何故首都のステビア侯爵が、コレクト様の命を狙っていらっしゃるのですか?(汗だくノア)」
「うむ、よくぞ聞いてくれた、ノア君。ちょっと意味がわからない話なのだが、よかったら参考にしてくれ。…………それは、ほんの少し前の事だった。……『首都圏活性化税』の方針が大々的に打ち出されて、かなり時間が経った後に、父上の古い友人であるステビア侯爵が、私の屋敷にやってきたのだ。(真剣なコレクト)」
「は、はい……。(緊張感漂うノア)」
「あれは、長雨がやまないときに開いたディナーでの一場面だった。……ステビア侯爵は、とても上機嫌なお顔で『首都圏活性化税に大いに協力してくれ。(ニヤリ)』と私に言った。私は、『領民に対して申し訳ないから、お隣のフィックスド辺境伯の政策を丸パクリして、領民に還元する。』と答えたら、和やかだった空気が一瞬で硬直した。……あの時のステビア侯爵のまるで悪魔のように険しい表情は忘れられないな。(謎のドヤ顔をキメるコレクト)」
「……えっ、丸パクリ⁉︎ コレクト様、流石にその言い方は、やめましょうか!(汗が止まらないノア)」
「うん? 自分で考えたわけではないからな、完全にノア君の政策を丸パクリしているだろう?(きょとんコレクト)」
「いやいや、若干、アレンジをしていらっしゃいますから、丸パクリではないですよ! それに、増税への対策について、コレクト様には沢山相談にのってもらいましたから、これはもう共同と言った方が正しいと思います!(恋敵だが、冷静にコレクトを賞賛するノア)」
「ノア君……。(うるうるお目々なコレクト)」
「コレクト様、自信を持ってください。フローレンス領が平和なのも、コレクト様とコレクト様の奥様がしっかりなされていらっしゃるからなんですよ。(真剣ノア)」
「……のあくううううん‼︎(ガバッと立ち上がってノアに突進するコレクト)」
「「────っ⁉︎(困惑のノアと殿下)」」
⭐︎ と、そこへひとつの風が、何故かノアを襲う‼︎
「──っ⁉︎(すんでのところで風を避けるノア)」
⭐︎ スパッという風の音と共に、ノア付近の床一面へ、とある髪の毛の残骸がハラリハラリと落ちまくった‼︎
「えええええ⁉︎ かかかぜが吹いて襟足が切れたあああ⁉︎(自身の後頭部をわさわさ触りまくって、襟足が無くなったことに呆然とするノア)」
「カマイタチがいるのかな。(ノアの真横で謎の遠い目をしながら黄昏れている殿下)」
「いやいや、絶対違うでしょ⁉︎(地面に落ちた元襟足を掬い上げて、悲しみに暮れるノア)」
「……ノア君、……なんかごめん。(落ち込んでいるノアの肩に手を置くコレクト)」
「いえ、俺が丹精込めて伸ばしていた大事な大事な襟足だけで済んで、本当によかったです。(かなり根に持つノア)」
「……私が男に抱きつこうとすると、よく強い風が吹くんだよな。……なんでかはよくわからないが、本当にごめん。」
「い、いいですよ。……ただの大切な襟足だけですから。」
「……男に抱きつく、か。……カマイタチ君は、不思議な奴だな。……コレクト君、確証は、持てないんだけれど、……コレクト君の命を奪おうとしているのは、ステビア侯爵でも弟さんでも、親御さんでもないよ。(キリッと殿下)」
「……私のランキングは、大外れしたのですか⁉︎(自作ランキングに対して謎の自信を今まで持っていたコレクト)」
「うん。……なぜなら、ステビア侯爵は、絶賛警察に連れて行かれてるし、コレクト君のご家族に人を殺めるという行動は、なかなか難しそうなんだよね。もし、コレクト君に手をかけるなら、おそらく暗殺者を雇いそうだけど、僕の持っている情報網では、殺し屋系のみんなは、今、一生懸命着ぐるみを縫っているからさ。(ドヤ顔殿下)」
「きぐるみ……?(きょとんなコレクト)」
「そう、着ぐるみ! 今から僕とサネユキとノアと愉快な仲間達で結成するクーデター組織『スピカ』の資金源を作るために、着ぐるみを売っているんだよ!(なかなかな殿下)」
「えええ⁉︎ あの着ぐるみって、その為に作りまくっていたのですか⁉︎(今知ったノア)」
「あれ? ノアには言ってなかったっけ?(殿下)」
「初耳ですよ! 今日のデモ中にとある組織を作りたいって聞いただけですからね!(反論のノア)」
「……そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないが、スピカを作ることには変わりない。(謎のドヤ顔殿下)」
「……あの、パトリック殿下、……その秘密結社に、……私も入れてください! ……お願いします‼︎(ガバッと直角にお辞儀するコレクト)」
「「────っ‼︎(コレクトを見る二人)」」
「正直、クーデターってどういう意味なのかよくわからないけれど、私もパトリック殿下やノア君達の力になりたい!(瞳に強い光を秘めているコレクト)」
「……コレクト君、その言葉、待ってたよ‼︎(コレクトの左肩に手を置く殿下)」
「パトリック殿下……。(とても嬉しそうなコレクト)」
「至急、面接試験を開いて、コレクト君の適正を見てみようじゃないか!(とてもやる気に満ち溢れた殿下)」
「はい‼︎ 宜しくお願いします‼︎(やる気満々コレクト)」
「…………面接試験?(何か嫌な予感がするノア)」
「ノア、今からサネユキを呼ぶから、会議室に面接会場をセッティングしちゃって!(ウキウキワクワク殿下)」
「は、はい!(瞬時に応接間から出るノア)」
「コレクト君、……今からやる面接に無事合格すれば、君も晴れてスピカの一員だからね!(きゅるるん殿下)」
「はい! 頑張ります‼︎(瞳が煌めくコレクト)」
⭐︎ 果たして、パトリック殿下の思惑は如何に⁉︎
⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯邸母屋、応接間。中心に設置された各ソファには、ノアとパトリック殿下に、隣の辺境伯領主コレクトが深々と腰を下ろしている。
「ステビア侯爵がコレクト君に恨み、ね。(真剣殿下)」
「こ、コレクト様、……何故首都のステビア侯爵が、コレクト様の命を狙っていらっしゃるのですか?(汗だくノア)」
「うむ、よくぞ聞いてくれた、ノア君。ちょっと意味がわからない話なのだが、よかったら参考にしてくれ。…………それは、ほんの少し前の事だった。……『首都圏活性化税』の方針が大々的に打ち出されて、かなり時間が経った後に、父上の古い友人であるステビア侯爵が、私の屋敷にやってきたのだ。(真剣なコレクト)」
「は、はい……。(緊張感漂うノア)」
「あれは、長雨がやまないときに開いたディナーでの一場面だった。……ステビア侯爵は、とても上機嫌なお顔で『首都圏活性化税に大いに協力してくれ。(ニヤリ)』と私に言った。私は、『領民に対して申し訳ないから、お隣のフィックスド辺境伯の政策を丸パクリして、領民に還元する。』と答えたら、和やかだった空気が一瞬で硬直した。……あの時のステビア侯爵のまるで悪魔のように険しい表情は忘れられないな。(謎のドヤ顔をキメるコレクト)」
「……えっ、丸パクリ⁉︎ コレクト様、流石にその言い方は、やめましょうか!(汗が止まらないノア)」
「うん? 自分で考えたわけではないからな、完全にノア君の政策を丸パクリしているだろう?(きょとんコレクト)」
「いやいや、若干、アレンジをしていらっしゃいますから、丸パクリではないですよ! それに、増税への対策について、コレクト様には沢山相談にのってもらいましたから、これはもう共同と言った方が正しいと思います!(恋敵だが、冷静にコレクトを賞賛するノア)」
「ノア君……。(うるうるお目々なコレクト)」
「コレクト様、自信を持ってください。フローレンス領が平和なのも、コレクト様とコレクト様の奥様がしっかりなされていらっしゃるからなんですよ。(真剣ノア)」
「……のあくううううん‼︎(ガバッと立ち上がってノアに突進するコレクト)」
「「────っ⁉︎(困惑のノアと殿下)」」
⭐︎ と、そこへひとつの風が、何故かノアを襲う‼︎
「──っ⁉︎(すんでのところで風を避けるノア)」
⭐︎ スパッという風の音と共に、ノア付近の床一面へ、とある髪の毛の残骸がハラリハラリと落ちまくった‼︎
「えええええ⁉︎ かかかぜが吹いて襟足が切れたあああ⁉︎(自身の後頭部をわさわさ触りまくって、襟足が無くなったことに呆然とするノア)」
「カマイタチがいるのかな。(ノアの真横で謎の遠い目をしながら黄昏れている殿下)」
「いやいや、絶対違うでしょ⁉︎(地面に落ちた元襟足を掬い上げて、悲しみに暮れるノア)」
「……ノア君、……なんかごめん。(落ち込んでいるノアの肩に手を置くコレクト)」
「いえ、俺が丹精込めて伸ばしていた大事な大事な襟足だけで済んで、本当によかったです。(かなり根に持つノア)」
「……私が男に抱きつこうとすると、よく強い風が吹くんだよな。……なんでかはよくわからないが、本当にごめん。」
「い、いいですよ。……ただの大切な襟足だけですから。」
「……男に抱きつく、か。……カマイタチ君は、不思議な奴だな。……コレクト君、確証は、持てないんだけれど、……コレクト君の命を奪おうとしているのは、ステビア侯爵でも弟さんでも、親御さんでもないよ。(キリッと殿下)」
「……私のランキングは、大外れしたのですか⁉︎(自作ランキングに対して謎の自信を今まで持っていたコレクト)」
「うん。……なぜなら、ステビア侯爵は、絶賛警察に連れて行かれてるし、コレクト君のご家族に人を殺めるという行動は、なかなか難しそうなんだよね。もし、コレクト君に手をかけるなら、おそらく暗殺者を雇いそうだけど、僕の持っている情報網では、殺し屋系のみんなは、今、一生懸命着ぐるみを縫っているからさ。(ドヤ顔殿下)」
「きぐるみ……?(きょとんなコレクト)」
「そう、着ぐるみ! 今から僕とサネユキとノアと愉快な仲間達で結成するクーデター組織『スピカ』の資金源を作るために、着ぐるみを売っているんだよ!(なかなかな殿下)」
「えええ⁉︎ あの着ぐるみって、その為に作りまくっていたのですか⁉︎(今知ったノア)」
「あれ? ノアには言ってなかったっけ?(殿下)」
「初耳ですよ! 今日のデモ中にとある組織を作りたいって聞いただけですからね!(反論のノア)」
「……そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないが、スピカを作ることには変わりない。(謎のドヤ顔殿下)」
「……あの、パトリック殿下、……その秘密結社に、……私も入れてください! ……お願いします‼︎(ガバッと直角にお辞儀するコレクト)」
「「────っ‼︎(コレクトを見る二人)」」
「正直、クーデターってどういう意味なのかよくわからないけれど、私もパトリック殿下やノア君達の力になりたい!(瞳に強い光を秘めているコレクト)」
「……コレクト君、その言葉、待ってたよ‼︎(コレクトの左肩に手を置く殿下)」
「パトリック殿下……。(とても嬉しそうなコレクト)」
「至急、面接試験を開いて、コレクト君の適正を見てみようじゃないか!(とてもやる気に満ち溢れた殿下)」
「はい‼︎ 宜しくお願いします‼︎(やる気満々コレクト)」
「…………面接試験?(何か嫌な予感がするノア)」
「ノア、今からサネユキを呼ぶから、会議室に面接会場をセッティングしちゃって!(ウキウキワクワク殿下)」
「は、はい!(瞬時に応接間から出るノア)」
「コレクト君、……今からやる面接に無事合格すれば、君も晴れてスピカの一員だからね!(きゅるるん殿下)」
「はい! 頑張ります‼︎(瞳が煌めくコレクト)」
⭐︎ 果たして、パトリック殿下の思惑は如何に⁉︎
1
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
私、魔王軍の四天王(紅一点)なんですが、敵であるはずの勇者が会うたびに口説いてきます
夏見ナイ
恋愛
魔王軍四天王「煉獄の魔女」リディア。魔王様に絶対の忠誠を誓い、最強の魔女として人間から恐れられていた私の日常は、一人の男によって打ち砕かれた。
人類の希望、勇者アルフレッド。戦場で相まみえるたび、彼は聖剣ではなく熱烈な愛の言葉を向けてくる。
「君は美しい。僕と結婚してほしい!」
最初は敵の策略だと警戒していたのに、彼の真っ直ぐすぎる求愛に、鉄壁だったはずの私の心が揺らぎっぱなし!
最強魔女の私が、敵の勇者にドキドキさせられるなんて……ありえない!
これは、敵同士という運命に抗う二人が紡ぐ、甘くて少し切ない異世界ラブストーリー。
冷徹文官様の独占欲が強すぎて、私は今日も慣れずに翻弄される
川原にゃこ
恋愛
「いいか、シュエット。慣れとは恐ろしいものだ」
机に向かったまま、エドガー様が苦虫を噛み潰したような渋い顔をして私に言った。
身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される
絵麻
恋愛
桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。
父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。
理由は多額の結納金を手に入れるため。
相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。
放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。
地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる