【完結】伐採令嬢とお花畑伯爵のままならない結婚生活
――あなたのために杉(仮)を伐る。新婚伯爵夫妻の別居婚、標高差1000メートル
散々結婚を先延ばしにされた挙句、ついに婚約破棄された男爵家の令嬢・ヘルミーナはとうに行き遅れ。
厳格な父親は家の恥さらしだと、彼女を老貴族の後妻として嫁がせようと画策していた。
老貴族の名を聞き、前世の日本人としての記憶がぼんやりとあったヘルミーナは確信する。
ここは乙女系領地運営シミュレーションゲーム『黒薔薇姫のシュトラーセ』エンディング終了直後の世界で、彼女はこの後夫の不正に巻き込まれて没落するのだと。
抗う彼女の窮地を偶然救ってくれたのは、病のせいで顔をくまなく覆った貴族、「お花畑伯爵」ウィルヘルム。
瘴気漂う領地のせいで滅多に領外に出ないとあって、長らく独身だった。
ウィルヘルムが事情でお飾り妻を必要としていると知ったヘルミーナは、彼に結婚と領地運営の手助けを申し出る。
たとえ彼が「二週目フリーモード以降選択可能な、高難易度領地持ちPC」であろうとも。
しかし手助けしようにもコミュニケーションはままならない。
瘴気を徹底的に避けるため、彼は森林限界の上に建てた別邸で一年の大半を過ごしているのだった。
「あなたの暮らす屋敷からは大よそ1000メートルといったところですね。……標高で、ですが」
1000メートルの別居婚を提案されたヘルミーナは、花粉に似た瘴気をまき散らす森を前に決意する。
登山をして会いに行き、政治的パートナーとして距離を詰めることを。
でなければ、また実家に戻されてしまうだろう。
もう後がないヘルミーナは、伯爵とともに領地を繁栄させることができるのか……?
この話は他サイトにも掲載しています。
散々結婚を先延ばしにされた挙句、ついに婚約破棄された男爵家の令嬢・ヘルミーナはとうに行き遅れ。
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