拾った孤児が天使と悪魔だったのですが…
小さな村で司祭をしているルシアンは、今日も村人たちのもとを訪れ、怪我や病気を治していた。
治療には本来お金が必要だが、貧しい村人から無理に金を取ることはない。
そんな穏やかな毎日を送っていたある日、村外れの風車小屋で、二人の幼い孤児を見つける。
一人は白髪。
もう一人は黒髪。
ボロボロの服をまとい、傷だらけになった二人は、ルシアンを酷く警戒していた。
それでも行く場所のない二人を教会へ連れて帰り、家族のように面倒を見ることに。
やがて少しずつ心を開いていく二人だったが、ある日、白髪の子がルシアンに尋ねた。
「……白い髪の悪魔って、いるの?」
ルシアンは少し考え、優しく微笑んだ。
「いるかもしれませんね。もしそんな悪魔がいるのなら……きっと、優しい素敵な悪魔なのでしょう」
そして別の日、黒髪の子も尋ねる。
「……黒い髪の天使って、いる?」
「それは格好いいですね」
何気なく返された言葉。
けれど二人にとって、それは初めて自分たちの存在を肯定してくれた言葉だった。
――それから数年。
立派な青年へと成長した二人は、再びルシアンの前に立つ。
そして彼らには、それぞれ誰にも言えない秘密があった。
白髪の青年は――悪魔。
黒髪の青年は――天使。
どちらも、その特徴を理由に天界と魔界から追放された異端だった。
「司祭様。俺はもう、あなたに拾われた子供じゃありません」
「今度は私達が守る番だぜ?」
天使と悪魔。
正反対の二人に愛されることになった、ただの司祭。
これは、種族も常識も越えてしまった三人の、少し不思議な恋の物語。
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「……黒い髪の天使って、いる?」
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