蒼檻のマスタリンクス
気まぐれに放流したプログラムが、世界を揺るがす――。弱冠20歳にして巨大IT企業の社長となった天才青年・水無瀬克矢。しかし彼の心は、いつだって寂しがり屋の子どものままだった。エリート街道を歩んできた34歳のやり手部長・迫田利郎との出会いをきっかけに、歪んだ支配と服従の歯車が回り出す。満たされない孤独を抱えた二人が織りなす、切なくも歪んだ歪愛劇の幕が上がる――。
現役大学生にして巨大IT企業『ダブルアイ・オリジナルマスタリンクス』の社長である水無瀬克矢(20歳)。2次元の世界とネットに入り込んで生きてきた彼は、暇つぶしに作ったプラットフォームが業界を震撼させ、祭り上げられるように社長に就任した。天才的なプログラミングセンスを発揮する克矢の会社に、旧帝大卒のエリートである34歳の最年少部長・迫田利郎が商談に訪れる。
克矢とは真逆に、たゆまぬ努力でエリート街道を歩んできた迫田だが、その裏では上に立つ者であり続けることに強いストレスを感じ、「誰か絶対的な存在に従属したい」という強いマゾ属性を隠し持っていた。商談の帰り際、克矢から手書きの暗号「ToM・FromS」が記された名刺を渡された迫田は、その夜指定された高級ホテルのスイートへと足を踏み入れる。
「アナタはただのMだ」――克矢に告げられた迫田は、全裸での命令や羞恥を伴う調教のなかで激しい絶頂を味わい、やがて「ご主人様とペット」の関係へと堕ちていく。
心に寂しがり屋の子どもを持ち、「僕を受け入れてくれる?」と不器用に責め立てる克矢。そのすべてを受け入れ、自ら快楽の虜となって自壊していく迫田。
すれ違う孤独と歪んだ欲求が交錯したとき、二人の関係は取り返しのつかない領域へと踏み出していく――。
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