あの夏の匂いを、僕は一生忘れない。
――父が死んだ、あの夏の日。
あの夏の記憶は、ある匂いとともに閉じ込めてある。
葬式の日に、しくしくと泣いていた真輝人に渡された、赤い花柄のハンカチ。
ハンカチには、甘くて爽やかな匂いが染みついていた。
それ以来、真輝人はその匂いを嗅ぐたびに、父のことを思い出すようになる。
あのハンカチを渡してくれた女の子は、一体誰だったのか。
高校二年生になった真輝人は、ひょんなことからアロマオイル専門店でバイトをするようになる。
父の死をきっかけに、心を閉じ込めて生きてきた真輝人だったが、自分を変えようと必死に葛藤していたのだ。
人や匂いと触れ合う中で、明るくなっていく現実。
それは、父の死の真相までも明らかにした。
全てを悟った時、真輝人の心に光は差し込むのか……。
アロマオイルが人を繋ぐ、青春ヒューマンドラマ。
※前名義のものを一部改稿・加筆修正して投稿しております。
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あのハンカチを渡してくれた女の子は、一体誰だったのか。
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