『葵の風雲録 〜黒船と胡椒と一服の茶〜』
天下の政を跡継ぎに譲った前の征夷大将軍・徳川慶山は、無類の緑茶好き。
柳生新陰流の使い手であり、懐に「三つ葉葵の印籠」を預かる美少女お供・お凛を連れ、諸国の名茶を味わうお忍びの漫遊記へと旅立つ。
道中の駿河で、緑茶に南蛮渡来の胡椒を混ぜて売るトンチキ商人・甚八の窮地を救い、旅の供に加える。やがて長崎へ辿り着いた一行は、沖合に浮かぶ不気味な軍艦「黒船」を目撃する。
その夜、船から鎖を引きちぎって脱走してきた黒人奴隷の青年・マリクを救出。慶山が振る舞った温かい一服の緑茶に魂を救われたマリクは、一行の頼もしき用心棒となる。
マリクの証言により、黒船を率いる異国の侵略者が東洋の植民地化を目論み、幕府の海防奉行・松平伊豆守と結託している事実が発覚する。
日本の銀や茶を横流しし、異国の武器で幕府転覆を図る巨悪を討つため、一行は九州から南の海へと乗り出す。
平戸の銀山、別府の湯治場、天草の海、薩摩の茶席を巡り、甚八の「胡椒くしゃみ玉」の奇策やマリクの怪力、お凛の鮮やかな剣技、そして慶山の錆びつかぬ杖術で悪党どもを次々と成敗していく。
やがて侵略の前線基地とされた琉球へ渡った一行は、罠にかかりお凛と葵の印籠を奪われる最大の危機に直面する。
だが慶山は将軍の権威に頼らず、一人の武士として嵐の要塞へ潜入。マリクもかつて自分を奴隷にした宿敵を拳で打ち破り、誇り高き戦士の魂を取り戻す。
最後は満月の夜、松平と黒船の大提督が密約を交わす旗艦へ小舟で乗り込み、甲板での大立ち回りの末に敵を圧倒。お凛が月下に掲げた黄金の葵の印籠の前に、売国奴と侵略者たちは完全にひれ伏すのだった。
決着後、解放されたマリクたちは故郷の海へ旅立ち、甚八は慶山の知恵で編み出した茶請け「南蛮胡椒煎餅」で大繁盛する。
泰平の海を見届けた慶山とお凛は、爽やかな潮風の中で緑茶を一服すすると、再び新たな名茶を求めて街道へと歩き出す。
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その夜、船から鎖を引きちぎって脱走してきた黒人奴隷の青年・マリクを救出。慶山が振る舞った温かい一服の緑茶に魂を救われたマリクは、一行の頼もしき用心棒となる。
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最後は満月の夜、松平と黒船の大提督が密約を交わす旗艦へ小舟で乗り込み、甲板での大立ち回りの末に敵を圧倒。お凛が月下に掲げた黄金の葵の印籠の前に、売国奴と侵略者たちは完全にひれ伏すのだった。
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