死せる乙女のラブレター
アレクサンドラ・ジェッテ・ブランシェス侯爵令嬢、通称レディ・アレクサンドラは、今日も侯爵家の有する美しく広大な庭園の一角にある、家族しか入る事を許されないプライベートエリアでお茶の時間を楽しんでいた。
ほんの二ヶ月ほど前に自身が巻き込まれた婚約破棄騒動において、事前に入手していた情報をもとに相手側をコテンパンにやっつけて、その憐れな様をご覧なさいと高笑いしてスッキリしたまでは良かったのだが、その時に情け容赦無くコテンパンにし過ぎて社交界でほんのりと孤立してしまったのだ。
そんな彼女のお茶の相手は、ひょんな事からアレクサンドラが封印を解いてしまった自称・上級悪魔。
「そう言えばさァ、何とかって名前の貴族の息子が恋人の後追い自殺したんだって?」
悪魔がもたらした世間話に頷いていたアレクサンドラはふと疑問を抱く。
遺された日記、遺書、恋人からの贈り物。
死せる令嬢の遺したメッセージは何を意味していたのか。
悪魔と共に、アレクサンドラは抱いた疑問を解く為に立ち上がる。
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