私が生涯お慕いすると決めた仮面の騎士様、実は義兄でした!?~極貧孤児だった私、規格外の魔力を買われて最強公爵家の養女になりました~
極貧の孤児院でひっそりと生きてきた少女・レーナ。
彼女の身体には、絶望の夜を一人で生き延びるために鍛え上げられた、誰もが羨む【規格外の魔力】が眠っていた。
その異彩を目にとめた王国屈指の武門「グラント公爵家」により、彼女は半ば強引に養女として引き取られることになる。
絢爛豪華な屋敷、出迎える容姿端麗な義兄弟たち。
誰もが羨むような境遇の中に置かれても、レーナの瞳はどこまでも冷たく澄んでいた。
彼女の心は5年前、魔物の襲撃から命を救ってくれた正体不明の『仮面の騎士』に、すでにすべてを捧げられていたからだ。
「私は生涯、あのお方だけをお慕いすると決めております。どなたとも心を通わせるつもりはありません」
氷のように頑なな態度を貫くレーナ。
そんな彼女を、長男であるアルディスはどこか切なげな眼差しで見つめていた。
アルディスは気づいていた。目の前の少女こそ、かつて自分が仮面を纏い、命がけで救い出した幼い少女その人であることに。
だが、どれほど温かい言葉をかけても、レーナが向けてくるのは冷ややかな拒絶だけ。
彼女の胸に抱かれた古いお守りを見るたび、アルディスの心は深く沈んでいく。
(君の心には今も、あの夜の『誰か』がいるんだね……)
目の前にいる自分がその「誰か」であるとは思いも寄らず、二度と届かない初恋に静かに胸を痛める義兄。
そして、義兄のふとした立ち振る舞いにあの日のおもかげを感じ取りながらも、「私を救ってくださったあのお方が、こんな恵まれた公爵家の令息なはずがない」と自ら疑惑を打ち消してしまう義妹。
同じ夜の記憶を抱き締めながら、互いに「相手の心には別の誰かがいる」と信じ込むふたり。
すれ違う想いと深まる愛おしさが織りなす、切なくもどかしい両片想いの物語。
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