薔薇病で忘れられた第一王女は、元護衛の副団長にもう一度選ばれる
薔薇《ばら》病――かつて不治の病と呼ばれたそれにより、
第一王女リゼリアはすべてを失った。
美貌も、未来も。
そして人々の記憶からも消え去った。
王城の奥で生き延びた彼女は、
もう誰にも選ばれることはないと静かに受け入れていた。
それから時は流れた。
戦場から帰還した第一騎士団副団長ヴァルドが、
かつての護衛として彼女のもとへ戻る。
変わり果てたはずの彼女を前にしても、
彼は目を逸らさなかった。
外へ出ること。
並んで歩くこと。
言葉を交わさない時間。
それは恋と呼ぶには遅すぎて、
それでも確かに積み重なっていく。
すべてを失ったあとで、
それでもなお、もう一度めぐり逢う二人の物語。
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