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ボウマン伯爵家からの報告を受け、ウィルフレッドはやっと決着がついたかと安堵した。
ならばすぐにでもセリーナに知らせて安心させなければ、と行動した。
「もう大丈夫だ。片が付いた。バリントンが顔を見せることはない」
ウィルフレッドは詳しく語らなかった。
詳しいことを話すとセリーナがショックを受けるかもしれないという配慮からだった。
全て伝えることが優しさではない。
逆にそれがセリーナに聞かせられないようなことがあったのだと物語っていた。
詳しく訊くべきではないとセリーナは察した。同時に聞かせないのはウィルフレッドの優しさだと思った。
断言したことから本当に危険は排除されたのだろうと安心した。
「大変だったでしょう?ウィルフレッドもお疲れ様」
「君のためならどうということはないさ」
疲れた顔色のまま、ウィルフレッドは微笑み返す。
セリーナはウィルフレッドがどれだけ大変だったのかと思うと心が苦しくなった。
同時にそこまでしてくれたウィルフレッドの愛を感じた。
とんだ災難に巻き込まれたセリーナだったがウィルフレッドの新たな一面を見ることができた。
愛する女性を守るために全力で臨む頼りがいのある一面。
口だけではなく行動で示したのだから疑いようがない。
(ウィルフレッドと結婚できて本当に良かったわ)
迷惑かけた分を返すのは当然として、それ以上に二人で幸せになりたいとセリーナは強く願った。
もちろん願うだけではなく行動する意思もある。
セリーナはウィルフレッドに抱きつき、ウィルフレッドも優しく受け止める。
二人しばらく無言で抱き合った。
トラブルに遭っても起きてしまったことは消しようのない事実だ。
決着がついたのであれば引きずらずに前向きに考えることが大切ではないか。
ウィルフレッドが全力で守ってくれたこの幸せを受け入れることが、何よりもウィルフレッドに対して報いることになるのではないか。
いつまでも引け目に感じていてはウィルフレッドに申し訳ない。
セリーナは顔を上げウィルフレッドを見つめる。
ウィルフレッドも優し気な微笑みを返す。
どちらからともなく、二人は唇を重ねた。
ならばすぐにでもセリーナに知らせて安心させなければ、と行動した。
「もう大丈夫だ。片が付いた。バリントンが顔を見せることはない」
ウィルフレッドは詳しく語らなかった。
詳しいことを話すとセリーナがショックを受けるかもしれないという配慮からだった。
全て伝えることが優しさではない。
逆にそれがセリーナに聞かせられないようなことがあったのだと物語っていた。
詳しく訊くべきではないとセリーナは察した。同時に聞かせないのはウィルフレッドの優しさだと思った。
断言したことから本当に危険は排除されたのだろうと安心した。
「大変だったでしょう?ウィルフレッドもお疲れ様」
「君のためならどうということはないさ」
疲れた顔色のまま、ウィルフレッドは微笑み返す。
セリーナはウィルフレッドがどれだけ大変だったのかと思うと心が苦しくなった。
同時にそこまでしてくれたウィルフレッドの愛を感じた。
とんだ災難に巻き込まれたセリーナだったがウィルフレッドの新たな一面を見ることができた。
愛する女性を守るために全力で臨む頼りがいのある一面。
口だけではなく行動で示したのだから疑いようがない。
(ウィルフレッドと結婚できて本当に良かったわ)
迷惑かけた分を返すのは当然として、それ以上に二人で幸せになりたいとセリーナは強く願った。
もちろん願うだけではなく行動する意思もある。
セリーナはウィルフレッドに抱きつき、ウィルフレッドも優しく受け止める。
二人しばらく無言で抱き合った。
トラブルに遭っても起きてしまったことは消しようのない事実だ。
決着がついたのであれば引きずらずに前向きに考えることが大切ではないか。
ウィルフレッドが全力で守ってくれたこの幸せを受け入れることが、何よりもウィルフレッドに対して報いることになるのではないか。
いつまでも引け目に感じていてはウィルフレッドに申し訳ない。
セリーナは顔を上げウィルフレッドを見つめる。
ウィルフレッドも優し気な微笑みを返す。
どちらからともなく、二人は唇を重ねた。
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