ピンク頭で男爵令嬢だからと言って勝手にお花畑ヒロインだと決めつけないで下さい

幕間 大掃除

女たちの密談の後、王宮内は大掃除が始まった。(アイラ、アンナ様、王妃様の三人で王太子様からパルミラ様へのプレゼントに関しての話等などを共有後)


クリスの執事と偽の納品書や領収書を乱発していたドレスメーカー、商会関係者は地下牢に集められ、素直になるお薬の効果でペラペラと自分たちの計画を話しているようだ。


クリスの側近に関しても、執事の問題行動を疑問視せずにパルミラをけなす言動があった事から再教育する為、特別なカリキュラムが組まれる訓練校に強制入校される事になった。


何の罪もない息子を側近から外すのはどうしてなのか？と抗議してきた某伯爵は、側近でありながら何もしないのが罪だと分からないとは…


あなたも、鉱山労働にでも行って国民の役に立ってもらいましょうか？と王妃様に笑顔で言われ、それだけは勘弁して下さいと即座に謝り、観光地として有名な土地を王妃様に贈る事で何とか首の皮が繋がったようだ。


被害は最小限に抑えたとホッとする伯爵に対して、王妃様は…


「私は満足したからよいのよ。

でもねぇ。

あなたが息子を大切にするように、私の親友も娘を大切にしているのよ？

彼女の気持ちが晴れるように、何か考えてくれないかしら？」


何とか上手く乗り切ったと退出しようとしていた伯爵は…


「わかりました！

海が見える美しい別荘を美しいおふたりの女性に捧げましょう。

別荘に関しての目録や権利書等は手続きが完了次第お持ち致します。

海を眺めながら入れる露天風呂付きの自慢の別荘なので、気に入って頂けると思いますよ。

引いてある温泉の泉質が美肌効果がありまして、髪もお肌もツヤツヤサラサラになる美人の湯と言われておるのです」と説明しつつ、一刻も早くここから逃げ出そうと必死だった。


こんな事なら、喜んでバカ息子を訓練校に入れたのに…


うちの領地の華である観光地のひとつを失うなんて…


出来るなら時間を巻き戻したいものだ…


「うふふふっ。

いいわね！

息子は残念だったけど、あなたは流石に頭の回転が早いし、相手の懐に入るのもお上手だわ。

これからも、我が国の為に働いて下さいね。

美人の湯に入るのが楽しみだわ。

私と親友に風光明媚な別荘を譲ってくれた伯爵には、これから良い事が起こるわよ？」と王妃様は満面の笑みで呟いたのだが…


某伯爵は、恐怖しか感じなかったらしい。


オリエント王国では、国王様以上に王妃様を怒らせたらいけないと理解した某伯爵であった。


王妃様は、見た目は儚げな美しい女性なのだが、中身はかなり苛烈な方なのだから…


アイラと初対面で意気投合する位だから…


何となく、察するものはあるよね？