ダンテ
島の別荘にいる叔母夫婦と連絡が取れなくなったので見て来てくれと言われた大学生のおれは、博、正史、光隆の三人の遊び仲間を誘うと長時間の船旅の後、別荘にたどり着いたが夫婦はいない。別荘内部が異常に荒らされた気配がある。。近場の住人に聞き込みをしても、だれも知らなかった。くつろいでいる三人に呆れながらもおれは二人を探した。そして、画家である叔父のアトリエで日記というものを見つけた。。そこに書かれていたのは驚くべき話だった。叔父はある日の散歩途中に海岸で子蛸を見つけ、飼うことにしダンテと名付けた。子供のいない夫婦にとってダンテは、すでに飼っている子犬やインコなどと同様に新しいペットになった。エサについては散歩のついでに取った子ガニなどを与えていたが、あるとき戯れに豚肉を与えたらダンテがそれを食べたことから、散歩時のエサ捕集に苦労しなくなった叔父は、本職の絵を描くことに没頭しはじめ、ダンテの世話を叔母に任せるようになった。しかし叔母はエサを与えることを怠った。その後、叔母の懇願でダンテを海に帰すこととなったが、ある夜、廊下を何かが這っている音がした。。夫婦はもしやとダンテを飼っていた水槽を覗き、そこに金色の目をしたダンテを見た。水槽ではインコの羽根が舞っていた。飢えたダンテが帰ってきて食べたのだ。怒った叔母はダンテを殺そうとしたが、逆に腕を食いちぎられ死んだ。叔父はダンテに復讐すべく水槽に淡水を流し込んだのち叔母の後追いで睡眠薬で死のうとしたが、薬の効き始めたころに何かが廊下を這ってくる音を聞いた。日記はそこで終わっていた。
この話を三人に聞かせたが、当然ながら信じない。空の水槽に手を入れた光隆が溶けて消えた。実体のないダンテに食われたのだ。呼んだ警官が水槽に向かって発砲し、水とともに流れ出たダンテは川に溶け込んだが、どこに行ったのか。脱出のため港に向かった俺たちの前にダンテがいた。
この話を三人に聞かせたが、当然ながら信じない。空の水槽に手を入れた光隆が溶けて消えた。実体のないダンテに食われたのだ。呼んだ警官が水槽に向かって発砲し、水とともに流れ出たダンテは川に溶け込んだが、どこに行ったのか。脱出のため港に向かった俺たちの前にダンテがいた。
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