もう殿下の悪夢は引き受けません ~「眠らせるだけの女」と婚約破棄された宮廷夢守り、眠れない辺境公に傷ごと大切にされています~
宮廷夢守りリディアは、十年間、婚約者である王太子アルベルトの悪夢を毎夜ひそかに引き受けてきた。
けれど王太子が感謝したのは、夢の象徴を読む聖女セラフィナ。誕生日夜会で「眠らせるだけの女に王妃は務まらない」と婚約を破棄されたリディアは、静かに夢鍵を返した。
「承知しました。では今夜から、殿下の悪夢は殿下ご自身でお願いいたします」
誰かの夜を守るため、自分は眠らず傷つく。それが務めだと思っていた。王宮を去った夜、リディアは初めて自分自身の夢を見る。
新しい依頼人は、十年間まともに眠れない北辺公ユリアンだった。だが彼が求めたのは、悪夢の肩代わりではない。
「代わりに耐えないでくれ。私の隣で、一緒にほどいてほしい」
十二分の安眠から始まる治療、城下の夢相談所、王国中から集められていた悪夢、使い切られた夢守りたちの記録。リディアが仕事を返したことで、王宮を支えていた見えない仕組みが崩れ始める。
これは、捨てられた夢守りが傷ごと大切にされ、誰も一人で夜を持たなくてよい朝を作る物語。
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誰かの夜を守るため、自分は眠らず傷つく。それが務めだと思っていた。王宮を去った夜、リディアは初めて自分自身の夢を見る。
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「代わりに耐えないでくれ。私の隣で、一緒にほどいてほしい」
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