職業【魔王】でも勇者になりたい! ~処刑寸前の村の少年、魔王の力で人助けしすぎて聖者と噂される~
辺境の村の十五歳、カイは勇者の英雄譚が大好きな少年だ。ところが成人の神託で授かった職業は【魔王】。教会の定めでは、【魔王】は聖女の手でその場で処刑される。けれど剣の柄に手をかけた聖女ミレアは、処刑をやめて、カイを預かると宣言した。魔王になる兆しを見せれば、その場で彼女が斬る。その条件で一年、カイを見張るという。
人を病ませる黒い靄、瘴気。それを喰らうたび、カイの腕には黒い線が伸びる。胸まで届いて引かなくなれば、本物の魔王。毎朝それを書き留めるのはミレアだ。
それでもカイは決めた。この力で人を助けて、勇者になってみせる。
魔物の群れは命令ひとつで道を空け、病の村の瘴気は残らず喰らい、竜は睨むだけで頭を垂れる。震えながら礼を言った人々の噂は、いつしか『黒衣の聖者』に変わっていく。
「いや、聖者じゃなくて、勇者のほうが……」
人を病ませる黒い靄、瘴気。それを喰らうたび、カイの腕には黒い線が伸びる。胸まで届いて引かなくなれば、本物の魔王。毎朝それを書き留めるのはミレアだ。
それでもカイは決めた。この力で人を助けて、勇者になってみせる。
魔物の群れは命令ひとつで道を空け、病の村の瘴気は残らず喰らい、竜は睨むだけで頭を垂れる。震えながら礼を言った人々の噂は、いつしか『黒衣の聖者』に変わっていく。
「いや、聖者じゃなくて、勇者のほうが……」
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