俺がかぐや様!?文系大学生異世界での死闘
「お迎えに参りました、姫」
カーテンが揺れる。窓から差し込む月光に照らされたその男は、手を差し伸べて言った。
「…いやいや、意味わからないんだけど!?」
次の瞬間、俺は雲の上にいた。飛び上がったのか、浮いたのかもわからない。
「その様子だとまだ記憶が戻っていないようですね。」
「てか姫ってなんだよ!俺、男だし!しかもなんで空飛んでんの!?」
そう俺は文学部に通うただの男子大学生だ。今日だってつまらないサークルの飲み会を一次会で抜けて寝ようとしていたのに。
「あなたはかぐや姫様です。前に一度罪を犯して、下界に堕とされたのですが、戻ってまた罪を繰り返しましてね。帝がもう大激怒なさって今度は長めに堕とされたわけです。で、期限が明けましたのでこうして迎えに参りました。」
ちなみに最初の罪は窃盗でしたね〜と言いながら男が箱からなにかを取り出す。なんだこれ、透ける素材でキラキラ光っている羽織みたいな…まさかこれ天の羽衣!?これ着ると感情なくなっちゃうんじゃなかったっけ!?嫌だ!!男は暴れる俺を片手で軽く押さえつけ、ふわりとそれを被せた。
嫌だ嫌だサークルのマドンナみくちゃんと付き合えてないし今度のバイトの給料で買いたい物もあるのに…ん?
「え、感情も記憶もあるんだけど?」
「姫は下界にいた時間が長いですからね、そうなるでしょう」
そんなのありなんだ、じゃあ俺この世界の記憶と感情を持ちながら月の世界でかぐや姫やらないといけないの?
進み続けていた雲はある地点で止まった。
「ここが月と下界を繋ぐ場所です。上昇気流に乗って一気に月を目指しますよ。」
次の瞬間ものすごいスピードで雲が上昇しはじめた。視界がぐるぐる回る。息が苦しい。俺は頭が良い方ではないのだが、これだけははっきり理解した。というか、本能がそれを言っている。
逃げられない、俺は地球に堕とされた゛かぐや姫゛であると__
た、た、た、たすけてえええええええ
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