花の貴族

リスティア王国――
華やかな貴族社会の中で、ひとりの青年が静かに孤立していた。

オーフェン侯爵令息、スノア。

黒髪に赤い瞳を持つ彼は、「忌み子」と呼ばれ、誰からも恐れられて生きてきた。
視線を避けるように眼帯で目を隠し、心を閉ざしたまま過ごす日々。

そんな彼の運命は、ある夜会で大きく動き出す。

月明かりのバルコニーで出会ったのは、
白い髪と空のような青い瞳を持つ、明るく無邪気な令嬢フィオーナ。

彼女はスノアの“目”を恐れるどころか、
まるで宝物のように見つめて――笑った。

それは、スノアにとって初めての出来事だった。

やがて惹かれ合うふたり。
だが、彼を縛り続けてきた過去と、貴族社会の歪みは、そう簡単には消えない。

それでも。

“そのままの自分でいい”と認めてくれる場所があるとしたら――?

これは、
忌み嫌われた青年が、ひとりの少女と出会い、
本当の居場所と「幸せ」を見つけていく物語。
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