猛毒の伯爵と、死にぞこないの狼 ――主従の契約は毒の血

「私の名はエレオノーラ。――ルプス、貴方の最後の主よ」
 泥にまみれ、廃棄を待つだけだった狼族の獣人、ルプス。
 絶望すら忘れた彼を拾い上げたのは、奴隷制度反対を掲げて国と戦う孤高の女性当主、エレオノーラだった。

 しかし彼女の歩む道は、どろりとした悪意に満ちている。
 先代伯爵の不審な死、アイゼンハルト伯爵家を敵視する貴族たち、そして心を蝕む強引な求婚。

 そんな彼女の重圧を『匂い』で辿り、エレオノーラの側へ行くものの、思い知らされるのは圧倒的な『格差』
 求婚を申し込む公爵家次男のガイアス。高級奴隷として心を殺し、完璧にかしずくルネ。
 エレオノーラの側には有能な者たちがひしめき、無力な自分を突きつけられる。

――このままじゃ、エレオノーラ様の側にいることなんて出来ない。

 ルプスはこの屋敷で、奪われていた本能を研ぎ澄ませ、這い上がることを決意する。

 廃棄寸前の最底辺から、孤高の女主人の『盾』となり、彼女の『唯一の従者』の座を勝ち取るまでの、忠誠と再起の物語。

※本作は、狼族の青年・ルプスと、その主であるエレオノーラの二人を軸に描くファンタジーです。主従それぞれの視点から、運命に立ち向かう姿を多角的に描写しております。繊細な心理描写、政争、駆け引きといった骨太なストーリーを重視しております。
24h.ポイント 242pt
0
小説 6,769 位 / 219,629件 ファンタジー 1,086 位 / 50,880件

あなたにおすすめの小説

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

「あなたのことは、もう忘れました」

まさき
恋愛
試験前夜、親友が私の十年を盗んだ。 笑顔で。優しい言葉と共に。 私は泣かなかった。怒らなかった。ただ静かに王都を去って、一人で成り上がることにした。 やがて辺境から王都へ、私の噂が届き始める頃——かつての親友が、私の前に現れた。 後悔しても、もう遅い。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました

由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。 ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。 遠い存在になったはずの彼。 けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。 冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。

お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ

Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。 理由は決まって『従妹ライラ様との用事』 誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。 「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」 二人の想いは、重なり合えるのだろうか …… ※他のサイトにも公開しています。

それは、最低の求婚だった。

あんど もあ
ファンタジー
三十歳年上の男の後妻として結婚させられた姉は、夜会で再会した妹に哀れな女とあざ笑われる。 そう、それは最低な縁談のはずだったから……。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

落書きでさよなら

あんど もあ
ファンタジー
「落書き」のスキルが覚醒した侯爵令嬢ティアナ。何と、指一本で空気にも水にも落書き出来てしまうのだ。 「この力は、世のため人のために使いましょう」と心に決めたティアナだが……。