冷薄王子は寵愛王子だったけど、未だに信じられません!
(そうだ……私、妹に彼氏を取られて、それで。)
男爵家に生まれたイザベラ・モリーは階段を踏み外した衝撃が、前世の記憶を思い出す。
異世界では平穏な人生を望んでいたが、父の再婚相手が連れてきた義妹-ヴィクトリア-の存在が、イザベラの日常を脅かす。
「本当にすまない……でも僕は、ヴィクを愛してしまったんだ。」
(こっちの世界でも、私の運命は変わらないのかな。)
絶望し、街を飛び出したイザベラ。過去のトラウマが呼び起され、過呼吸で倒れているところを助けたのは……。
「俺に歯向かったらどうなるか、分かっているだろうな。」
「俺は貴様に興味が無い。失せろ。」
「お前のことは知らんが、殺さなければいけないようだ。」
隣国で『冷薄王子』と恐れられているルシウス・ヴァルハルト王子であった。
「昨日お会いしたばかりでは……?」
「君に心奪われてしまったんだ。仕方がないだろう?」
「人殺しは...、しなければならないことなんですか?」
「ごめんイザベラ。もう人殺しなんてやめる!やめるから……どうか泣かないで。」
「おい、それ以上俺のイザベラに近づいてみろ。殺してやる。」
「おー……怖い怖い。」
私の運命は変わらないと思っていたのに。
私を溺愛してくるなんて裏があるに決まってる!絶対騙されないんだから!
運命で歪んでしまった女性は、1人の男によって運命から逃れられるか──。
男爵家に生まれたイザベラ・モリーは階段を踏み外した衝撃が、前世の記憶を思い出す。
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