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うちでは恐怖の話だ
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「愛人がいても困らないと思ったかな?」
うん、そんなことは考えていなかったぞ。
どうもこの文官王子と分かり合うことは難しいようだな。
「確かに愛人は家名を名乗らないし、子が出来てもそれは同じ。その子が爵位を継ぐことも絶対にない。だから夫人の座が揺らぐようなことは起きないだろうね。でも一度愛人にしてしまえば、彼女たちは捨てられるということがないことを分かっているかな?」
それも勉強したなぁ。
こんなことを知って、将来何の役に立つのか?と当時は疑問しか感じなかったけれど。
今まさに役に立っているな!
あの時の先生、今さらだけど感謝する。
当時学んだことを思い出してみる。
貴族は愛人を持つと、愛人とその間に生まれた庶子の面倒を最後まで見る義務が生じるそうだ。
つまり愛人は、何もせずとも衣食住提供されるし、その子も生涯遊んで暮らすことが出来るらしい。
羨ましいと思ったかって?
まさか。
逆に怖ろしいと思ったよ。
だってな。うちなら血を見る話で。
それも夫婦の問題としてだけの話には収まらない。
働かざる者食うべからず暇なら鍛えろと言われるうちで、その愛人と子どもたちが無事で済むわけがないだろう?
それはもう愛情たっぷりのしごきが四方八方から待ち受けているはず……。
町ではときに騎士団よりおそろしいことが起こるからな。
だから憧れるなんてとんでもなくて。
頼むから身内からそんな奴は出ないでくれよと、貴族の端くれとしては願うばかりだった。
教えてくれた先生も青褪めながら話してくれたからな。
とはいえ、愛人を抱えるとしたらうちでは当主に限られる。
父に愛人がいたら……そうだな。
ぼこぼこにして、話はそれからだ。
それにあと少しの辛抱だからな。
あいつは辺境伯を退いた後のことをどう考えているんだろうか。
先を考えるべきは、我が父だったな。
無事で済むと思うな?
うん、そんなことは考えていなかったぞ。
どうもこの文官王子と分かり合うことは難しいようだな。
「確かに愛人は家名を名乗らないし、子が出来てもそれは同じ。その子が爵位を継ぐことも絶対にない。だから夫人の座が揺らぐようなことは起きないだろうね。でも一度愛人にしてしまえば、彼女たちは捨てられるということがないことを分かっているかな?」
それも勉強したなぁ。
こんなことを知って、将来何の役に立つのか?と当時は疑問しか感じなかったけれど。
今まさに役に立っているな!
あの時の先生、今さらだけど感謝する。
当時学んだことを思い出してみる。
貴族は愛人を持つと、愛人とその間に生まれた庶子の面倒を最後まで見る義務が生じるそうだ。
つまり愛人は、何もせずとも衣食住提供されるし、その子も生涯遊んで暮らすことが出来るらしい。
羨ましいと思ったかって?
まさか。
逆に怖ろしいと思ったよ。
だってな。うちなら血を見る話で。
それも夫婦の問題としてだけの話には収まらない。
働かざる者食うべからず暇なら鍛えろと言われるうちで、その愛人と子どもたちが無事で済むわけがないだろう?
それはもう愛情たっぷりのしごきが四方八方から待ち受けているはず……。
町ではときに騎士団よりおそろしいことが起こるからな。
だから憧れるなんてとんでもなくて。
頼むから身内からそんな奴は出ないでくれよと、貴族の端くれとしては願うばかりだった。
教えてくれた先生も青褪めながら話してくれたからな。
とはいえ、愛人を抱えるとしたらうちでは当主に限られる。
父に愛人がいたら……そうだな。
ぼこぼこにして、話はそれからだ。
それにあと少しの辛抱だからな。
あいつは辺境伯を退いた後のことをどう考えているんだろうか。
先を考えるべきは、我が父だったな。
無事で済むと思うな?
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