キモデブ王子と結婚したくないと妹がごねたので、有難くいただくことにしました ~復縁? そんなの無理に決まっているではありませんか~

 公爵令嬢ヘスティアの妹、アイリスは我がままだった。


 なんでもかんでも自分が1番じゃないと、自分の思う通りに話が進まないと気の済まない性格。


「あれがほしい」

「これがほしい」


 ヘスティアが断ると、ヒステリックを起こす。


 両親は妹に甘く、ヘスティアに、

「お姉ちゃんでしょ? 譲ってあげなさい」

 と言い出す。


 こうしてヘスティアは、妹に色んなものを奪われていった。


 そんな折、彼女はまた悲鳴をあげる。


「いやいやいやいや! あんなキモデブと結婚したくない!」


 キモデブと揶揄された彼は、この国の第一王子。

「お姉様の婚約者の、イケメンの公爵が良い。お姉様、交換して!」

「はあ」


 公爵も了承し、あれよあれよという間に婚約者交換が決まった。


 でも私は内心、喜んでいた。

 顔だけの公爵よりも、性格の良い第一王子の方がよっぽどマシよ。


 妹から有難く「第一王子の婚約者」という立場を貰ったヘスティア。


 第一王子とともに穏やかな生活を送っていたある日。

 なぜか城へ殴り込んできた妹と元婚約者。


 ……は?

 復縁?


 そんなの無理に決まってるじゃないの。

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