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第4話 作戦開始2ヶ月目~ピクニックでのゾクリ~ ニナ視点(2)

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「ニナクイズ大会、スタートっ。ジャジャンっ!」

 楽しく向かい合っているあたしは上機嫌で効果音を発し、人差し指で自分をさす。

「第1問。ニナ・スアフが一番好きな色は、なんでしょうかっ?」
「ピンク」

 即答で、正解。
 リボンもそうだし、何かとピンクで固めてるもんね。1問目はあっさり答えられた。

「第2問。ニナ・スアフが一番好きな動物は、なんでしょうかっ?」
「ライオン」

 次も、即答で正解。
 あたしは強くて逞しい、力で圧倒できちゃうライオンが大好き。これも簡単か~。

「じゃあちょっぴり難しめにして、第3問。ニナ・スアフが3番目に苦手な食べ物は、なんでしょうかっ?」

 嫌いな食べ物の話はしても、細かい順番まではあまり言ってない。これは、分かるかな~?

「ルッコラ。ちなみに1番がラディッシュ、2番目がズッキーニだね」
「せ、正解。こんなにサクッと答えられるとは思ってなかったよ」

 嬉しいけど驚きで、負けず嫌いなあたしとしてはちょっぴり悔しさもある。
 よ~し。もっと、難易度を上げちゃおうっ。

「第4問。ニナ・スアフがお風呂に入る時、身体のどこから洗うでしょうか?」

 これは数回しか話していない『ネタ』で、しかも直接見る機会はないもの。リュカは、ちゃーんと覚えているかな――

「右足から、と記憶しているよ。ちなみに次は、左足、ではなくて右手に移る。そうだよね?」
「せ、正解……。よ、よく覚えてたね」
「さっきも言ったように、君に関することは何でも知ってるからね。当たり前だよ」

 そ、そっか。リュカはあたしにべた惚れで、これも簡単なんだ。
 だったら……っ。更に更に、難易度を上げるっ。

「第5問。ニナ・スアフが9歳の頃の夢は、なんでしょうかっ?」

 これはリュカと出会って1回しか話していない、おまけに数か月前にチラッと話した内容。
 これは、流石に覚えてないよねっ?

「9歳の頃の夢は、商会の社長。『あの頃は幼くて、我ながら野心がとにかくすごかった』、そう言っていたよね」
「…………。せ、正解」

 リュカったら、そんなことまで覚えてたんだ。
 ソレはやっぱりすっごく嬉しいけど、負けず嫌いなあたしはやっぱり対抗心がメラメラ。どうしても勝ちたくなって、禁断の手を使うことにした。

「こほん、最終問題です。あたしのモーニングルーティーンの3つ目は、なんでしょうか?」

 さっきも出た順番問題だけど、こっちの難易度は大違い。
 なぜならリュカの前でその話題を出したのは1度きりで、しかもリュカに話したのは3つ中の1つ目と2つ目だけ。その最後の1つはリュカの前で話してなくって、知っているのはおば様と使用人だけなのだ! しかも『秘密の共有』は印象が良くなるから、男性陣――リュカやおじ様には内緒にしている部分なのだっ!

「………………………………」

 今までスラスラ答えている彼も、今度はスッと出てこない。
 リュカ、ゴメンねっ。あたしってば、ちょっとしたことでも負けたくないの。愛する人がする『可愛いイジワル』だから、許してあげてよ

「枕を右手で軽く叩き、『今日も一日いくわよあたし』と口にする。だよね?」

 ………………ぇ?
 あ、あれ? へ? ぁれ?
 …………………………………………どうして、それを知ってるの……?



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