甘く、とける。
篠宮初寧、18歳。田舎から上京したばかりの大学一年生は、表参道の華やかな空気に圧倒されながらも、新しい生活に胸を躍らせる。人見知りでファッションに疎い彼女にとって、都会の大学生活はまるで別世界。そんなある日、オリエンテーションに向かう道で、明るい笑顔の美容師・幾嶋蒼太と出会う。彼の純粋な言葉とスイーツのような優しさに、初寧の心は初めてのドキドキで揺れ始める。
初寧には高校時代から付き合う彼氏・名取麦がいる。小説家を目指す麦は、夢に没頭するあまり初寧を顧みず、都合のいい存在として扱う。麦との関係に疑問を抱きながらも、初寧はかつての純粋な彼を信じ、情に縛られていた。しかし、幾嶋との出会いは、初寧に自分自身を見つめ直すきっかけを与える。カットモデルとして彼の美容室を訪れ、髪を切るたびに、初寧の心は少しずつ自信と輝きを取り戻していく。
スイーツを愛する初寧にとって、恋はまるで角砂糖のよう。純粋で甘く、溶けるような幸せを夢見ていた。だが、麦の裏切りを知った時、純粋な心は砕け散る。それでも、幾嶋の真っ直ぐな想いと、彼と過ごす甘い時間は、初寧に新しい恋の形を教えてくれる。コンテスト当日、初寧は自分の気持ちに正直になる決意をする。幾嶋の「君じゃなきゃダメなんだ」という言葉に、彼女の心はついに甘く溶け出す。
苺のショートケーキのように愛らしい初寧と、彼女を輝かせる幾嶋。表参道のきらめく街並みを背景に、初寧は自分を愛する勇気と、本物の恋を見つける――。
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