紙と活字の革命
埃っぽい空気が喉を掠めた。砂漠の風が、粗末なテントを揺らしていた。麗乃、いや、今はレイラと名乗る私は、砂埃まみれの顔をしかめた。前世の記憶、大学図書館への就職が決まっていたこと、司書資格取得の喜び……それらは、まるで遠い夢のようだった。
転生したこの世界は、文字を知らない者が大多数を占める、未開の地に近かった。本など、高級貴族の嗜みであり、庶民の手に届くものではなかった。私の前世の夢、本に囲まれた生活なんて、この世界では絵空事だ。
「レイラ、またぼーっとしてるのか。食事の準備は終わったのか?」
テントの入り口から、母の声が聞こえた。母は、辺境の小さな村で暮らす、粗野で現実的な女性だ。私は、この世界の父と母の間に生まれた、唯一の娘。父は、この国の辺境を守る兵士として、日夜働いている。
私は、生まれつき傲慢で自己中心的だった。前世の記憶が、私の傲慢さをさらに増幅させていた。この世界の貧しさ、不便さ、全てが私を苛立たせた。本がないこと、それが私を最も苦しめた。
「はい、母さん。もう準備できました」
そう言って、私は不機嫌そうに食事の準備を始めた。粗末なパンと、乾いた肉。この食事が...
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