【完結】足影(アシカゲ)~歪んだ街、足音が響く~
「逃げても、追いつかれるの。──だって、それは“わたし”だから」
真面目で内向的な女子大生・美月(みづき)は、ある夜、大学の飲み会帰りに終電を逃し、ひとり都会の夜道を歩くことになる。
その街では近頃、「誰かに見られているような気がする」「気配が追ってくる」といった不穏な噂が囁かれていた。
そんなもの、ただの怪談だと思っていた美月だったが、次第に“なにか”が確かに自分を追いかけてくる気配を感じ始める。
誰もいないはずの公園で、住宅街の路地で、ビルの隙間で──
それは、どこにでも現れる。どこまでも追ってくる。
そして、美月の前に現れたのは、「もうひとりの美月」だった。
笑う“わたし”。泣く“わたし”。無言で立ち尽くす“わたし”。
かつて否定し、押し殺し、見ないふりをしてきた感情や記憶が、まるで具現化したような姿で迫ってくる。
「あなたがわたしを見なかったから、わたしはここにいるの」
逃げることも、否定することも、もうできない。
静かに侵食していく“もうひとりの自分”と、どこまでが自分なのか分からなくなる現実。
夜の街で、美月は自分自身という怪異に追い詰められていく。
これは、“怪異”の話であり、“自己”の話。
過去を見つめ直すこと。傷ついた自分を受け入れること。
そして、ようやく“ほんとうのわたし”を知るための、たった一度の夜の記録。
最後に問いかけるのは、“それ”か、“わたし”か。
──ねえ、ほんとうに──あなたは、“だれ”?
2025/05/09 23:30
2話繋がっていたところがあったので、分離しました。
内容には変更ありません。
表紙絵はAIで生成しております。
初の小説となります。
メンタルが豆腐よりもかなり崩れやすいので、もし感想をいただける場合は優しくしてください。
お友だちに「書かないの?書かないの?」を言われてなんとか義理を果たしました。
遅くなってごめんよー。(でもそのお友だちは書籍化作業が忙しいのか、最近投稿してない)
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そして、ようやく“ほんとうのわたし”を知るための、たった一度の夜の記録。
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