313 / 446
連載
288.共闘(コカドリアス侵入)✔
しおりを挟む
まるで監視カメラのモニタを見ているように、あちこちの映像が頭の中で切り替わり続けている。何匹も魔物がいるみたいだ。この映像は、精霊の女王様が見せてくれているのだろう。
見たい場所を考えるだけで、映像を切り替えることができる。最初に映し出されていた魔物を見たいと願うと、映像が切り替わり映し出された。
魔物が毒液を吐き出すと、樹木の生気がみるみるうちに失われていく。パパ龍さんを苦しめたコカドリアスで間違いなさそうだ。
〈あの魔物が樹木を枯らしていたようですね! 許せません! ドライアドとノームの悲鳴が聞こえます!〉
精霊の女王様の体はうっすらと赤く染まっており、怒りと悲しみが伝わってくる。俺にも悲しみのこもった精霊の悲鳴が聞こえている。この悲鳴はドライアドとノームのものなのだろう。沸々と怒りがこみあげてきた。
チビとベビと共に、精霊の女王様が見せてくれた場所に直ぐに向かう。
〈チビ、ベビ、魔物の吐く毒液には気を付けて! あれに触れるとパパ龍さんのように動かなくなるよ。精霊が苦しんでいるから、人化を解いて協力して!〉
〈精霊が泣いているダォ!〉〈ベビに任せてなノ!〉
チビとベビの姿がゆがみ始めている。人化を解いたようだ……破れる!
〈服は脱いで!〉
服がはち切れる寸前でなんとか間に合い脱いでくれた。次は、もっと早く言うようにしよう。ふたりはグングンと大きくなり、元の龍の姿へと変わっていく。
討伐について簡単に打ち合わせする。映像には魔物が何匹も映っており、毒液はそう遠くまでは飛ばすことはなかった。離れて風の刃で攻撃すれば安全に討伐できるだろう。火炎は森林火災になるので使用禁止だ。
チビは右前方へ、ベビは左前方へと自信ありげに飛び去って行った。俺は魔物の数が一番多い、中央に向かう。
これ以上被害が広がる前に早期に倒す必要がある。精霊たちの住処である迷いの森を護らなければ!
魔物のいる場所に到着すると、精霊が必死に抵抗していた。土の精霊は精霊魔法で魔物を串刺しにしようとしているが、魔物の動きが早く捕えきれない。
木の精霊は枝を鞭のようにしならせて魔物に攻撃しているが、ほとんどダメージを与えることができていない。
風の精霊も強い風を吹かせているが、ほとんど効果がない。低位精霊の魔法では威力は弱いみたいだ。いや、中位精霊も混ざっているみたいだが、魔物の皮膚が硬いのか?
風の使い方がそれではダメだ。もっと風を薄く、密度を高めないと!
俺がそう考えた途端に、魔物の体に小さな傷が生まれ始めた。思考の共有化がされたままみたいだな。中位精霊までは会話はできないが、俺の考えていることは理解できるみたいだ。
魔力鑑定眼で魔物を確認すると、魔石がふたつある。できることなら、元の姿に戻してやりたい。何度も話しかけてみたが、意思の疎通が出来ない。
精霊が作った傷から、麻酔薬を体の中に入れようと試みるも上手くいかなかった。口の中に入れようとしても毒液で防がれる。このままでは被害が広がるだけだ。
何か打開策を考えなければ……そうだ! 土の精霊に地面を下げるように指示する。木の精霊に枝を使った鞭の攻撃を続けてもらう。風の精霊には、風の刃で後ろ脚を集中攻撃するように指示した。
魔物が戸惑っている。当たりかまわずに毒液を吐き出していたが、段々と脚に切り傷が増えていく。土の精霊が下げている地面と共に段々と土の中に沈み込んでいく。簡単には抜け出せない深さになった。毒液を吐き出しても自分に降り注いでいる。
毒液により、土壌汚染が広がらないように周りの土をカチカチに硬化させた。これも土の精霊に指示を出してやってもらったんだ。
チビとベビがいる場所を映像で見せてもらう。俺の思考が精霊と共有化されているため、ここと同じことが魔物のいる全ての場所で起きていた。チビとベビも風の刃で効果的に攻撃しいい仕事をしている。
穴に入った状態の魔物を土の精霊に指示し、土で拘束する。魔物は身動きできなくなっており、しばらくすると毒液を吐き出す量も時間も少なくなってきた。
更に土で圧迫していくと、押さえつけられて毒液を吐き出せなくなり、息をするのもやっとな状態になっている。鼻の穴から麻酔薬を流し込む。しばらくすると麻酔が効いてきたようで動かなくなってきた。他の拘束している魔物にも麻酔を流し込んで回る。
最初の魔物に戻り、土の精霊魔法による魔石の摘出手術を開始した。土の精霊に依頼し、魔物の口を開ける。内視鏡の製造と操作も全て指示する。
精霊との親和性も上がり、連携もどんどんと上達している。魔石の摘出も数をこなし、無駄なく早く行えるようになってきた。
二個の魔石を摘出するとコカドリアスの変身が始まった。しかし、遺伝子操作か何かされているようで、元の獣人の姿には戻せなかったんだ。助けてあげたいが、無理なのだろうか? どうすればいいんだ?
見たい場所を考えるだけで、映像を切り替えることができる。最初に映し出されていた魔物を見たいと願うと、映像が切り替わり映し出された。
魔物が毒液を吐き出すと、樹木の生気がみるみるうちに失われていく。パパ龍さんを苦しめたコカドリアスで間違いなさそうだ。
〈あの魔物が樹木を枯らしていたようですね! 許せません! ドライアドとノームの悲鳴が聞こえます!〉
精霊の女王様の体はうっすらと赤く染まっており、怒りと悲しみが伝わってくる。俺にも悲しみのこもった精霊の悲鳴が聞こえている。この悲鳴はドライアドとノームのものなのだろう。沸々と怒りがこみあげてきた。
チビとベビと共に、精霊の女王様が見せてくれた場所に直ぐに向かう。
〈チビ、ベビ、魔物の吐く毒液には気を付けて! あれに触れるとパパ龍さんのように動かなくなるよ。精霊が苦しんでいるから、人化を解いて協力して!〉
〈精霊が泣いているダォ!〉〈ベビに任せてなノ!〉
チビとベビの姿がゆがみ始めている。人化を解いたようだ……破れる!
〈服は脱いで!〉
服がはち切れる寸前でなんとか間に合い脱いでくれた。次は、もっと早く言うようにしよう。ふたりはグングンと大きくなり、元の龍の姿へと変わっていく。
討伐について簡単に打ち合わせする。映像には魔物が何匹も映っており、毒液はそう遠くまでは飛ばすことはなかった。離れて風の刃で攻撃すれば安全に討伐できるだろう。火炎は森林火災になるので使用禁止だ。
チビは右前方へ、ベビは左前方へと自信ありげに飛び去って行った。俺は魔物の数が一番多い、中央に向かう。
これ以上被害が広がる前に早期に倒す必要がある。精霊たちの住処である迷いの森を護らなければ!
魔物のいる場所に到着すると、精霊が必死に抵抗していた。土の精霊は精霊魔法で魔物を串刺しにしようとしているが、魔物の動きが早く捕えきれない。
木の精霊は枝を鞭のようにしならせて魔物に攻撃しているが、ほとんどダメージを与えることができていない。
風の精霊も強い風を吹かせているが、ほとんど効果がない。低位精霊の魔法では威力は弱いみたいだ。いや、中位精霊も混ざっているみたいだが、魔物の皮膚が硬いのか?
風の使い方がそれではダメだ。もっと風を薄く、密度を高めないと!
俺がそう考えた途端に、魔物の体に小さな傷が生まれ始めた。思考の共有化がされたままみたいだな。中位精霊までは会話はできないが、俺の考えていることは理解できるみたいだ。
魔力鑑定眼で魔物を確認すると、魔石がふたつある。できることなら、元の姿に戻してやりたい。何度も話しかけてみたが、意思の疎通が出来ない。
精霊が作った傷から、麻酔薬を体の中に入れようと試みるも上手くいかなかった。口の中に入れようとしても毒液で防がれる。このままでは被害が広がるだけだ。
何か打開策を考えなければ……そうだ! 土の精霊に地面を下げるように指示する。木の精霊に枝を使った鞭の攻撃を続けてもらう。風の精霊には、風の刃で後ろ脚を集中攻撃するように指示した。
魔物が戸惑っている。当たりかまわずに毒液を吐き出していたが、段々と脚に切り傷が増えていく。土の精霊が下げている地面と共に段々と土の中に沈み込んでいく。簡単には抜け出せない深さになった。毒液を吐き出しても自分に降り注いでいる。
毒液により、土壌汚染が広がらないように周りの土をカチカチに硬化させた。これも土の精霊に指示を出してやってもらったんだ。
チビとベビがいる場所を映像で見せてもらう。俺の思考が精霊と共有化されているため、ここと同じことが魔物のいる全ての場所で起きていた。チビとベビも風の刃で効果的に攻撃しいい仕事をしている。
穴に入った状態の魔物を土の精霊に指示し、土で拘束する。魔物は身動きできなくなっており、しばらくすると毒液を吐き出す量も時間も少なくなってきた。
更に土で圧迫していくと、押さえつけられて毒液を吐き出せなくなり、息をするのもやっとな状態になっている。鼻の穴から麻酔薬を流し込む。しばらくすると麻酔が効いてきたようで動かなくなってきた。他の拘束している魔物にも麻酔を流し込んで回る。
最初の魔物に戻り、土の精霊魔法による魔石の摘出手術を開始した。土の精霊に依頼し、魔物の口を開ける。内視鏡の製造と操作も全て指示する。
精霊との親和性も上がり、連携もどんどんと上達している。魔石の摘出も数をこなし、無駄なく早く行えるようになってきた。
二個の魔石を摘出するとコカドリアスの変身が始まった。しかし、遺伝子操作か何かされているようで、元の獣人の姿には戻せなかったんだ。助けてあげたいが、無理なのだろうか? どうすればいいんだ?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7,590
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。