生きる運命
飢饉に苦しむ故郷を救うため、次期の長である頼邑は、豊かな作物が実るという遠い地を目指して旅に出る。
辿り着いたのは、神々が宿るとされる不死の森に近い月霧の里。そこでは、人喰い熊、狐の化け物、そして人間を憎む覡の噂が囁かれていた。
やがて頼邑は、森の奥で金の髪と瞳を持つ少女と出会う。名を持たず、人間に捨てられ、獣や神と共に生きてきたその少女に、頼邑は「光」という名を与える。
人間を守ろうとする頼邑と、人間を憎みながらも孤独を抱える光。
ふたりは互いに惹かれ、理解し合おうとするが、月霧の里を襲う憎しみと報復の連鎖は、やがて人と森、獣と神を巻き込む大きな戦いへと発展していく。
命とは何か。
憎しみを抱いたまま、人はそれでも生きていけるのか。
そして、人と自然は共に在ることができるのか。
失われた命、残された想い、そしてそれぞれの生きる運命を描く、和風幻想譚。
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