退廃くんとカメラ子ちゃん
「退廃っていうのかな、そういうのが似合うキミが好きなのさ」
その日、クラスの桂木さんに声をかけられて、僕は驚いた。
クラスこそ同じものの地味で暗い僕とは違い、桂木さんは明るくて奔放的で、まさに真逆の人種。このまま卒業まで、いや、一生交わることのない人間だと思っていた。
それなのに、彼女から声をかけてくるなんて。
その上、カメラのモデルになってほしいなんて。
※他サイトからの転載です
その日、クラスの桂木さんに声をかけられて、僕は驚いた。
クラスこそ同じものの地味で暗い僕とは違い、桂木さんは明るくて奔放的で、まさに真逆の人種。このまま卒業まで、いや、一生交わることのない人間だと思っていた。
それなのに、彼女から声をかけてくるなんて。
その上、カメラのモデルになってほしいなんて。
※他サイトからの転載です
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最終ページまで読ませていただきました。
桂木さんの求めていたものはタイトル通りの「退廃くん」であって、目立つタイプの女子に連れまわされて緊張したり、少し浮かれてしまったりと、感情を揺り動かされている純朴な少年ではなかった、ということか……。
筆者様の狙い通りかどうかは分からないものの、読み終えさせていただいたいち読者としましては、そういうことなのかな、という感想です。
トイカメラでの写真撮影を唯一の接点として描かれる、二人の交流。この二人の関係性に目立った変化や事件、進展がないからこそ、いかにも青春らしく瑞々しいほろ苦さを感じます。いかにも「物語然」とした特別な何かがないからこそ、生々しくも落ち着いた、どこか心地良さすらある読了感。主人公の複雑な感情があっさりと肩透かしを食う結末は灰色で、だからこそ美しいです。
ひとつ、捻り出したイチャモンとして挙げさせていただくと、一部、桂木さんの台詞にセリフ臭さを感じてしまった、という点でしょうか。とはいえそれは、自分の抱く「目立つ女子」へのステレオタイプなイメージが邪魔をしたせいかも知れず、あるいは、この作品全体が持つ生々しさから浮いて見えてしまっただけなのでは、とも思います。
いろいろとごちゃごちゃ述べさせていただきましたが、話のペースが良く、重ねてになりますが、読後感の良いお話でした。
退廃くんに、カメラ子ちゃんに、幸あれ。
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