『影/世紀末症候群‐短編』
指揮官以下18人からなる特務小隊、さらに1人の随行員と4基のロボットが、受信した信号の発信源を辿って、楕円軌道上を周回する未知の惑星へと向かう。着陸後、地中深く降下していった隊員は、太古の遺跡と思しい洞窟の壁に、いつとも知れない超古代文字や図像を発見する。地上の電子戦闘員を中継してデータを転送、母艦で待機する随行員の解析した結果、古代の人類が使用していた一言語、アラム語に酷似した形状の文字なのが明らかになる。その直後、隊員に襲いかかってきた不気味な存在に武器で対抗する暇(いとま)もなく、指揮官以下異様な感覚に囚われてしまって為す術もない。辛うじて難を逃れ、母艦に戻った一同は指揮官がテスト段階にある、小型のタキオン・ビーム兵器を仕掛けるため、単独で謎の惑星に引き返したのを知る。威力未知数の開発間もない新兵器の使用で、指揮官に勝算は――果たして無事に生還できるか。焦燥感、不安感が隊員間に広がってゆく。数時間後、指揮官の帰還に隊員一同は胸を撫で下ろすが、タキオン・ビームが奇っ怪な事態を招いたのを知る。戦闘艦もろとも異次元世界に迷い込み、彼らの眼前には広大な宇宙が広がっていたのだ。霊界に繋がっているとしか思えないその宇宙で、互いに精神感応で連絡する中、地球を発進した直後になんらかの原因で、戦闘艦ごと物質界から異界に移動してしまったか、あるいは全員死んでしまったのではないか。しかし、肉体を失ってもいないのに、どうして死んだといえるのか――そういった疑惑が持ち上がる。惑星ルシファーの洞窟内に、異星人が残していった古代文字や、人類起源の謎を秘める遺跡は何を物語っているのか。奇跡的に帰還した隊員は、想像を絶する地球の姿を目撃することになる。
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