〈Genesis of Anomaly〉〜恩寵という名のデバフを盛るほど強くなるVRMMOで、盛れるだけ盛ったオンボロ機械兵器のお話〜
時は二十二世紀半ば。場所は日本の片田舎。
日々進歩する科学技術は、人類の長年の夢であった様々な空想上の産物を現実の物としてきた。フルダイブ技術もその中の一つである。医療に娯楽に研究に、近頃の人間でこの夢のような技術に触れない者は存在しないだろう。
島 琉生(しま りゅうせい)もまた、そんな夢のような技術によって人生を左右されてきた二十代前半の青年である。彼はこれまでに数え切れない程のゲームを通じて、多くの世界を冒険してきた。
生まれつき体が弱く、現実での行動に制限がある青年にとって、仮想の空間で経験するあらゆることは目新しく、そして現実よりも自由だった。
そんな彼が今回選んだのは、ダークな世界観のゲームを作ることで一部界隈にカルト的な人気を誇る企業、ポラリス・テクノロジーが開発した完全新規タイトルのVRMMO、《GoA (Genesis of Anomaly)》だ。
事前に公開された紹介トレーラーを見て、既におかしな雰囲気が漂っているなと、ゲーマー達の間でかなりの話題になったことでバズった作品である。
どうやら恩寵(アノマリー)と呼ばれる、克服することで強力なバフに変化するデバフを身につけることでしか生きていけない世界が舞台のゲームであるらしい。
果たしてこのゲームはどんな刺激的な経験を与えてくれるのか――そんな軽い気持ちで始めたこのゲームで、彼は世界に絶望と混沌を齎す大悪党になるのだった。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載させて頂いております。
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