胡蝶の舞姫

『俺がお前を抱くのは、本心から抱きたいと思ったからだ』ーーその言葉の真意は?信じていいの?



「蛹は蝶になるの。夜の街を舞う蝶に」

戦下を生き抜いた2人の日系アメリカ人女性は、もう一つの祖国でそれぞれ女の子を産み落とした。

似た境遇、同い年の2人の混血児、エミーとマリー。

東京五輪に湧く昭和30年代の東京。

謎の紳士、恵三に助けられて芸者の道を歩み始めるエミコ。

ストリップ劇場の若き小屋主、巽と徹也の兄弟に引き取られたマリコ。

巡り会った男達の手によって運を掴んだ彼女達の線が交錯した時、運命の歯車が回り出す。

性の不一致を知り苦悩する少年、銀平。

赤線廃止後も歌舞伎町で遊郭を営む富さん。

エミコとマリコが持つロザリオに名を残す謎の男。

2人の人生を紡ぐ糸に複雑に絡んでいく男達。

少女は恋をし、愛して愛され、裏切られ。

翻弄されるか、利用するか。
それともーー?

生きる為、生き抜く為。

二人は愛憎劇の渦中へ。


戦後の東京。二人の混血児が激動の昭和を駆け抜ける。
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