親の仇の悪魔から「君を籠絡したい」と甘く囁かれていますが、全力で抗おうと思います

人の心を籠絡し、同意した相手の魔力を奪い、抜け殻のようにしてしまう――「籠絡の悪魔」。
その悪魔に母を奪われた天才魔導士の少女リナ・エストレアは、いつか母の仇を討つと決めて、日々魔法学園での研鑽を積んでいた。

ある日。
親友に甘く囁きかける転入生レイゼの姿を見て、リナは直感する。
彼こそが母の仇、籠絡の悪魔だと。

リナは親友を守る事に成功するが、同時に籠絡の悪魔の標的が自分だということを知る。

悪魔の弱点を見つけたいリナ。
リナの魔力を奪いたい悪魔。

互いの目的を知りながら、二人はあえて魔法学園での生活を共に送ることになるが、その駆け引きは、恋にも似た危うい甘さを帯びていく。

「……私は絶対にあなたに心を許したりしない！」

「君のその頑なさ、いいね。その強さごと君が欲しくなる。」

弱点を探るために近づけば近づくほど、リナの心は悪魔レイゼの甘い毒のような言葉に揺らされていく。

憎しみと恋慕、復讐と誘惑が交錯するなか、リナは決してレイゼに魔力を渡す事にだけは同意してはならない――。

これは、籠絡の悪魔に狙われた少女が挑む、甘美で残酷な心理戦と恋の物語。
果たして彼女は悪魔を倒すのか、それとも心を捧げてしまうのか――。