仕合わせ

 社会の底辺の男、生きる意味を知らない男、まだ生まれていない男。 そんな俺がいつものように自動販売機の下に落ちている小銭を拾おうと、屈んで手を伸ばして手に入れたのは一万円札だった。
 その日から連続で毎日一万円札をそこで拾った。
 不思議に思った俺は、誰がこの一万円札を落としているのかを確認することにする。
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